ランドフェスwith小暮香帆

ランドフェス DUO with 小暮香帆

ダンスフェスですが、仙川の街の様々なところで催され、聴衆も移動しながら楽しむという試みです。今回は「家」がひとつの隠しテーマになっているそうで、ごく普通の「家」でのダンスもあり、私が割り当てられたのもその1つでした。

武蔵野の境界にあたり、狸も住むエリア。ポンポコ。秋の虫と煌々たる月と救急車の音。畳の間。落書き、素人塗りの漆喰、少し破れた網戸。そこで待ち構えます。お貸しいただいた根上さま、ありがとうございました!

香帆さんが聴衆を引き連れてブレーメンの音楽隊か、ボッシュの絵のようにやって来ます。移動途中はハモニカを吹いて先導し、通りにカフェからは声援がかかったそうです。だいぶ街に根付いたのですね。おめでとうございます!

応接間で、ビブラフォーンのあずささんとのDUO20分。私は奥座敷で待っています。襖が少し開いて、仰向けで反り返った香帆さんの手が見えて来ます。スタッフが襖をすべて開け、私も演奏開始。

ともかく身体の良く動くダンサーです。(初対面でした。)どこまで曲がるの?どこまで伸びるの?という感じです。狭いはずの空間が彼女のオーラで広々と充たされます。ダンサーの呼吸を捉えながら、「もっともっと」という彼女の身体の無言の要請を引き受けて刺激する部分と、ふと立ち止まって救急車や秋の虫に場を譲る部分を入れたり、逆の反応をやったりします。ダンサー自ら照明を換え、終盤へ。アッと言う間の20分でした。

かつてフランスのローデスという街で、ミッシェル・ドネダと市街劇に参加したことがありました。アントナン・アルトーが収監され、電気ショックを何回もやられた精神病院があることで知られる街。その病院跡からスタート。フランス全土から詩人が多くパトロンをつれてやって来ています。一幕を終えると私たち(役者とミュージシャン)はトラックに乗って先回り、城・教会・川の畔と移動、それぞれ聴衆も移動。街中の交通はストップ。傷痍兵が橋を渡り、廃墟から音楽が聞こえる、などやりたい放題でした。

それもフランスらしくてたいへん結構ですが、21世紀の東京では、このランドフェスが似つかわしいし、ふさわしいと思います。こじんまりした家で不意にダンサーが踊りミュージシャンが音をだす。応接間(なんという言葉)では客人がひしめき、そとでは月と狸が見守り、集中してLIVEを楽しむ。

信頼するプロデュースの安藤さんに誘われるがまま参加しました。前回、森のテラスで松岡大さんとDUO。小さい音でやってくださいという要請でした。楽しかった。そして、あのころはまだ元気だったな〜。安藤さんとダウン症の話、矢萩竜太郎さんの話をできたのが繋がりの太い綱になりました。

経堂の共同ハウス(近藤さん)ともお知り合いとのこと。街の中、一般の家でなにか面白いことをやろうという強い願いをお持ちです。そう、1人1人の顔が分かるところで、身近に、LIVEが行われることは何と言っても良いです。こちらも充分に問われます。

こうやって草の根的に広まってくるのはワクワクしますね。

強いもの、人気のあるもの、お金の動くもの、もてはやされるものを観る・聴くではなく、弱いもの、誰も知らないもの、お金の動かないもの、通り過ぎてしまうものに、足を止め、自分の目で観て、自分の耳で聴き、自分の頭と心で反応する。

んっ?何?変?と違和感を感じたり、おもしろがることをきっかけに自らを問い直したり、やりなおしたり、考え方をかえたり・・・

当たり前のはじまりはじまり。

(なにしろギチギチで本番のちゃんとした写真ありません)