ヒツジのやまい

小林 裕児 個展
福原画廊http://g-fuku.voce.gr.jp/
-羊皮紙に描く-
2009年7月8日(水)~7月18日(土)
11:00A.M.-7:00P.M. (日曜のみ休廊)

ご紹介がぎりぎりになってしまいましたが、銀座・福原画廊で小林裕児展、開催中です。
ポレポレ座・徹の部屋第2回は、ヒツジの話題でもりあがりましたが、ひつじ菌が小林さんにまで感染したのでしょうか?今回は羊皮紙に描いたものの特集です。私は昨日行って参りました。表通りから一本入った雑居ビルの小さなスペース。入り口では、多分毎日、野良猫が昼寝をしながらビル番をしています。このエリアで、協力し合って野良猫のケアをしているそうです。銀座ってこういうところだった、という気がしました。裕児さん、17日は画廊に行ってから、ポレポレへお越しということです。

遠方の歯医者から銀座への京浜東北線で読んでいた本(「私とマリオ・ジャコメッリ (生)と(死)のあわいをみつめて」辺見庸 NHK出版)に、
「化生
少年は半透明の羊膜ごしに見られた。というより、私は青ぐさい胞衣(えな)ごしに少年を眺めた。少年はずいぶん老いていた。膜の内にあるか外にあるか私は失念していた。(すべてはいずれ破られるべく、残りなく世界の膜に内包されている)と信じて私はじっとたたずんでいた。羊水のなかで少年は老い、いつしかこましゃくれた。罪はしんしんと約束された。いつ破水があったか、いや、破水はなかったのか、とうに忘れられた。少年はおちょぼ口にして茱萸(グミ)をひとつ噛まずにくわえていた。ぬるい水がいよいよ盈ちて私はくらめきゆれた。茱萸が流れた。過去へ、ひとすじ紅い線を曳いて。私は茱萸をくわえていた。」

というすごい文章を読んでしまった。

さて、気を取り直して、螺鈿隊との最後のリハに行ってきます。

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