ジャン・テツデュオ その4

つくづく思うのは、私は周りの人々に恵まれているということ。ごくフツーの親から生まれ、ごくフツーの教育を受け、「才能」や「環境」でなく「生き方」としてこの道(音楽)に入ったのは成人してから。そんなヤツが、30年間続けられて来ている。それは明らかに、出会った人々のおかげと言うしかない。

昨夜の「いずるば」もとても暖かい良い会だった。私的なスタジオだが、時々一般公開している。ここでは、演劇+音楽「満月に誘われて」を二回、CD「SoNAISH」録音、ローレン・ニュートン、沢井一恵とのトリオ録音(制作中)、岩下徹さんのワークショップのお手伝い、南アのダンサー、ジャッキー・ジョブさんとのデュオ、「寄港」シリーズ、(第一回はミッシェル・ドネダ+岩下徹+小林裕児とのセッション)そして今回は「寄港」vol.2としてジャンさんとのデュオ。(来年は障害のある人も一緒にジャンさんのワークショップをやろうという計画もある。)

それぞれ良い経験だったし、多くの出会いがあったし、あり続けるだろう。手広く活躍しているプロデューサーと話をしたときも「今はもう、都心のホールを借りて公演をする状態ではなくなってきていて、『いずるば』のようなところでやるべきではないか」と話したことがある。私の場合は勿論、集客力がないので小さな所になってしまうのだが、どうやら世の中がそうなってきているのかもしれない。

昨夜も打ち上げでグラフィック美術の作家の方との話が面白かった。即興の場面で私がミロンガをゆっくり弾き、ジャンが微妙に揺れるシーンがあった。私もとても好きなところだった。「あの小さな動きが、宇宙にも広がるような大きな動きに見えた」とのこと。「そうそう」とジャンと私。「では、ああいう動きだけでワンステージできないもの?」「う~む、多くの経験を経てやってみたいものです。」とジャン。「ベースのいろいろなプリペアードが面白かった。」「でもあれは綱渡りなんです。15年くらい前はプリペアードの小物がカバン二つあったんです。それがだんだん少なくなって今に至っています」と私。「どうして?」「効果を求めることは、ある時間を必要としてしまうし、そこに至るまでの時間はとてもムダだし、回りに悪影響をあたえるし・・・」なんてあっと言う間に本格的な話になっている。

誰?

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