イヤ〜ホントに懐かしいplanB。さまざまな記憶が巡ってきます。この階段をいろいろな思いで登ったり降りたり、何度したことか・・・
私のような活動をしているとその時々でのホームグラウンドがゆっくり自然に変わっていくのですね。planB、キッドアイラックホール、ポレポレ坐などを経て現在は「いずるば」ということになるのでしょう。
さまざまな条件・状況が私の活動と「合う」場所が現れ、おたがい喜んでせっせと仕事をし、その間に、何かの状況が変わり始め、徐々に場所も私の活動と合わなくなり、自然に移動していく。
その繰り返し。それは共演者についても言えるかもしれません。ある共演者に出会い、喜びとともに共演を続け、ゲストをいれたり、コンセプトを付加したりして共演を続けます。CDやDVDをつくりツアーをし、仲間を増やし、、、が、ちょっとしたことから状況が変わり徐々に共演も減っていく。その状況の中で周囲の顔ぶれが変わっていき、また、誰かに出会い集中して演奏を始める・・・
昨日の共演者、今井和雄さんとは、planBでORBITを続けました。そして昨日再会・再演。いや〜嬉しかったです。このデュオには演奏する動機と意味がまだまだ残っていた。いや、やらないでいたことを音は怒っていたのかもしれません。
和雄さん、演奏のキレも変わらず、狂気も変わらず、美音も変わらず、無音も変わらず、持続力、イマジネーションの変更も変わらず、、、、、、その気に私の気が同調して共振・響振し、1時間の持続が可能になりました。今の体力・技術で1時間、今井さんと対峙するのは普通考えられません。
麻薬鎮痛剤を使い始めて5日。(慣れるまで2週間は、怠さ・眠気・吐き気要注意)緩和ケア病院の先生との相談で鎮痛剤を倍に増量して2日目。まだまだ身体は安定していません。緩和ケアの担当医は穏やかで気の回る人でした。よかった〜。おめにかかって「この人が私を見取るのか・・」とシミュレーションしてしまいました。
plan Bに話を戻します。
気持ちよく、響きを楽しむ(火災報知器かなにかの誤作動でDの音が断続的になると、私も和雄さんもDを意識した即興をします。)ことができたのは、私たちニンゲンだけでなく、楽器とこの空間の「関係」「友情」「思い出」めいたものも有った気がします。
音を投げ出すと、その音に導かれて即興が進んでいく。私には、かつてのようなスピードと勢いがありません。勢いとスピードで音を投げ出し、それを力技で収める、ということはできません。しかし、今は、待つことができ、相手に自分の演奏をさせる、無音に音を感じさせる、そんな知恵を身につけています。かつてはそれができなかった〜。謙虚さの足りない「過剰さ」がなぞりになって「余計」だったのだろうな、と反省。
何の制限もなく、楽器と共演者と空間と聴衆とに向かって、ただひたすら音を出す。こういうシンプルなライブは、案外少ないことに気がつきます。とても大事なことです。こういう演奏・音が元になって、歌が生まれ、ダンス、映像、美術との音楽、既成楽譜の演奏が生まれて行き、生き方を変えるきっかけになり、社会生活が少しでもうまく行くのです。人生の全部を担保にして博打をうっている気がします。この1時間は「永遠と一時間」
この周辺は、かつて50年間、庭のようにしていたエリアです。車で通りかかるだけでも思い出が自然に沸き起こります。アベベが裸足で走り抜け、田茂の葬儀の車が通り、永山則夫の代々木警察、通った幡代小学校を横目で見て、「騒」があった場所を素通りし、鈴木いずみさんと呑みすぎ緊急入院した玉井病院、その横にはタス通信があったな〜。第2国立劇場は、工業試験場があったし。あの桜は健在。あの木蓮も健在、よし、とかパトロールしている自分もいます。
オーナーの木幡さんの逝去の直後、この空間で今井和雄さんと音が出せ、多くの聴衆に聴いてもらったということは、「生きている」実感が膨らんでくる経験でした。生きているってスバラシイ。
ありがとうございました! ミッションコンプリート。
ミッションは次のように続きます。
28日 いずるば 29日エアジンの「スロッギーのワルツ」DVD完成記念with庄﨑隆志・松本泰子
5月5日 スタジオトルニージョ デュオwith森田志保
5月11日 ポレポレ坐 徹と徹の部屋vol.4 with 岩下徹
5月16日・23日 某所でバッハその他録音
5月27日 barber富士 withかみむら泰一
6月1日 ガムラン練習所 with佐草夏美・皆川
6月5日 某所 某計画
6月8日 エアジン with井野信義
6月22日ポレポレ坐 朋子と徹の部屋(仮称)
6月27日 ソノリウム with喜多直毅
7月13日 モケラモケラ ソロ
7月20日 Space Who with小林裕児
まだいくつかあります。
なんだか、いつもより濃く、多い気がします。
なんとかやり抜く心です。そしてもし夏をのりこえたら、第2回「いずるば」フェス(12月)を追加目標にし、医師の余命予想をジャンプ!さらにさらに、と行きたいところです。でも、うまく行かなくても良いのです。来世だってあるのさ。