仕事を一つ一つ
庄﨑隆志さんと松本泰子さんそして詩人達とおこなったアトリエ第Q藝術芸術でのLIVE全編と、エアジンでおこなった三角みづ紀さんと松本泰子さんとの3曲を加えてのDVD盤の制作を行っています。私のリリース、トラベシアレーベルとしてもずいぶん久しぶりになります。
アトリエ第Q藝術芸術では、詩を提供してくださった野村喜和夫さん(朗読)寶玉義彦さん(朗読)薦田愛さん(朗読とダンス)木村裕さん(ピアノ)MIYAさん(フルート)市川洋子さん(ステンドグラス)と豪華なゲスト出演でした。エアジンでの三角みづ紀さんは朗読+即興詩をやっていただき、自作2作に加えて私の旧作「クセニティス」でも即興詩をやってくださいました。
なんて幸せな時間だったのでしょう。この満足感は、庄﨑隆志さん(聾のダンサー・俳優)のあまねくすべての人類と共有したいと思うひたむきな貢献だけではなく、詩人の方々の積極的貢献も大きかった気がします。さらに、それは、詩人さえも越えてその「詩」ことば、自身が歌われるのを長い間望んでいたと感じてもらっているようなのです。現状の日本社会では「言葉」が軽んじられて、意味を伝えることもできず、意味さえも疎外してしまう、ましてや詩の言葉などは肩身の狭い思いをずっとしていたのではないか。
そして、プロジェクターで詩を投影したことにより、聾の方々と現代詩とのパイプもできたのではないかとちょっと誇らしいです。
私たちのライブパフォーマンスには、言葉達の熱い応援があったように感じます。
元を正せば、それこそ私の望んでいたものです。3・11以降に歌作りを始めました。そしてプロジェクトを進めるたびにネックになったのが「ことば」でした。どこかに言葉はないか?と「うたをさがして」来たと言って良いと思います。
それを解決してくれたのがまたしても私の病でした。手術や療養中に多くの友人がいろいろと心配りをしてくださり、生きる励み・望みになっていました。その多くの友人の中に薦田愛さんがいらっしゃいました。ずいぶん昔に元転形劇場の女優・遠井明巳さん(書家、物故)とコラボレーションをしたことのある詩人です。(野村さんの「詩の外出」)
退院後、やっぱり歌を作りたくて、また言葉がネックになるな〜と思っていましたが、愛さんのことを不意に思い出し、「な〜〜〜んだ、言葉で生きている友人はたくさんいるじゃないか!あの人もこの人も・・」と気づきその場でメールをし、即快諾を得てこのプロジェクトがスタートしたのです。
そこからの仕事は早かった。エアジンで三角みづ紀さんを紹介していただき、昨年2月にワンステージ分の新曲を作り上演。春にブッパタールでのオフの1週間で集中して残りの曲を作り、8月になってるハウスで全曲LIVEで初お披露目、畏友・庄﨑隆志さんのダンスを加えてアトリエ第Q藝術芸術で初LIVE。そして12月の同内容でのLIVE収録、1月にエアジンでの三角さんを加えたセッションでした。
あれよあれよ、という間にできました。こういう流れはとても良い。なるようにしてなっている、決して間違っていない、これでいいのだ!という確信犯に似た気持ちがあります。あはは、あは、あはは、はっ。
収録した全てを前澤秀登さんがスティル写真撮影をしていただき、もちろん素晴らしいので、たくさん使いたいと思います。(DVD内にも入れられるかなと)
春を待つような楽しみであります。