無絃琴
参考までに:
良寛の詩
静夜草庵裏 獨奏没絃琴 調入風雲絶 聲和流水深
洋洋盈渓谷 颯々度山林 自非耳聾漢 誰聞希聲音
訳
夜の静寂(しじま)の草の庵(いお) 弦(いと)なき琴を独りひく 調べは雲間に入りて絶え
声は川面(かわも)に深く和(わ)す 洋々(ようよう)水の音(ね)渓(たに)に盈(み)ち
颯々(さっさつ)風は木々(きぎ)を吹く 耳に届きしその音の
奥の調べを聞くは誰(たれ)
陶淵明の詩
淵明不解音律(陶明音律(いんりつ)を解(げ)せず)
而蓄無弦琴一張(而して無弦の琴一張(ひとはり)を蓄(たくわ)う)
毎酔適輒撫弄(酔うて適(かな)う毎(ごと)に輒(すなわ)ち撫(な)で弄(もてあそ)んで)
以寄其意(以てその意を寄(よ)す)
洞山の詩
胡笳曲子(胡笳(こけ)の曲子(きょくす)は)
不堕五音(五音(ごおん)に堕(だ)せず)
韻出青霄(韻(いん)は青霄(せいしょう)より出(い)ず)
写真は無絃琴・無絃琴を弾く陶淵明・漱石の書斎にある書・彫刻