無理なきよう無理しつつ

無理しないってどうするの? その2

私の背中を押してくれるものが、一歩踏みだして生きている実感をいただいております。

家族・友人・知人であり、本、音楽、美術、詩、CD、DVD、植物、動物、昆虫、山川草木、雨、晴れ、大地、空、雲、自然などなど考えて見れば「全て」が推してくれているのです。

庄﨑隆志さん、乾千恵さん、矢萩竜太郎さんなど身近にいるハンディキャップの人達を思うと特別な活力をいただきます。隆志さんの舞台に賭ける溢れんばかりの情熱、「ぼくのからだはこういうこと」さ、と言ってひたすら踊り、一本締めをする竜太郎さん、先日、私の身体を治すのだ、と大阪から上京しようとしていた千恵さん(台風で中止)。

千恵さんはどこかへ行きたい時はとにかく出発、ある所までしか行けないとそこで帰る、ということを繰り返していたそうです。フランスのトゥーロン近郊バール・フィリップス宅で会ったり、ドイツブッパタールでピナ・バウシュのゲネプロで会ったりしました。少し同行すると、列車に乗るのも、ホテルに泊まるのもいつもイノチガケの旅なのでした。それでも行けるところまで行くという主義を貫き、ムーミンを求め北欧に、ピアソラを求めブエノスアイレスへ、魂の救済を求めハワイイへ旅を続けています。

庄﨑さんは先日の第Q藝術で詩と歌の会をやったとき、大変忙しい日々が続いていました。
「そうですね〜1部2部で1曲ずつですかね」、とおっしゃっていましたが、「2曲ずつやろうか?」に変わり、「ご来場くださる詩人のものは全部やりましょう」、となり、当日朝のメールでは「詩のすごさが分かりました。全部やらせてください」となり、リハーサル(一部省略)、本番は全部ものすごい集中力でやりきりました。呆れました!

竜太郎さんは、毎日、ソロ・無音で20分踊ることを日課にしていて、終わると私に「兄貴やりました」とSNSを送ってきます。その孤独な日常を元に、大町での原始感覚美術祭では久田舜一郎(小鼓)ザイ・クーニン(パフォーマンス)皆藤千香子(ダンス)私(コントラバス)という普通考えたら金縛りになりそうな恐ろしい空間で、一番のびのびと踊りきり、踊った後、喜びで号泣し、抱きつき、歌い、叫びました。

三者とも、外から見ると壮絶な戦いを日常として、ずっと続くハンディを伴にして人生にチャレンジしエンジョイし続けている訳です。

それを思うとガンバラざるをえません。私などまだ2年。
障がいを考える時、重い軽いを言ってはいけないよ、と劇団態変の福盛さんに言われたことがありました。今、少し分かります。

思えば、高柳昌行、富樫雅彦、吉沢元治さん 病気を克服してからも活動を続けていて、私は最後の方で知り合い共演もしてきていました。「雪融けのように指が動くようになるのだ、メラメラと」と高柳さんはおっしゃっていました。(よく遊んでもらった我が娘はその言葉をなぜか覚えていて高柳さんのことを「おメラちゃま」と呼んでいました。)指が動かない、というのはまさに今の私であることに気づき驚きます。「少しぐらい障がいがあった方が良いかもしれませんよ」と野口整体の先生(目が見えない)がおっしゃったこともなんとなく以前より感じます。

そういうこと全体が時に私の背中を押し、引張り、揺さぶっていてくれているのだと思います。
もちろん、障がい者だけではありません。若い世代の活き活きした演奏・ダンスに触れると我が事のように嬉しいし、私の思っていることが伝わったことだけでも嬉しいのです。

やることがあり、なんとかできる、これ以上の幸せはないのかもしれません。

さて、今月あと4回LIVEを終えると翌日から湯治に1ヶ月行かせていただきます。おそらく生まれて初めて仕事抜きの旅。自然の中で免疫を活性化させ再発したアイツを引っ込めさせる所存です。

お恥ずかしながら、かさむ医療費、無収入。

10月25日までお申し込みの方に:CD,DVDを500円引き+送料無料で販売したいと思います。いかがでしょうか。
http://travessiart.com/music/
を参照ください。3ページあります。
「朱い場所」「Spring Road」「Sonaish」「Bass DUET」は品切れです。