小林裕児さん3

実行する

葉っぱ一枚一枚を丁寧に描き込むことでも分かりますが、裕児さんはすべてに具体的です。
そのため、あの穏やかな笑顔で、かなり過激なことを淡々と実現してきています。

写真はかなり昔のNHKBS「公園通りで会いましょう」テーマ「即興」生放送で45分 5日連続で行われたものです。この週、私がホストとして5名のゲストをお招きして即興について語りました。(岩下徹・沢井一恵・小林裕児・川口良仁・久保田アキ・井野信義)。若い!この楽器はベルギーのお城で手つかずで発見されたガンアンドベルナーデル(ライオンヘッド)です。いろいろな経緯を経てバール・フィリップスさんのガンベルと交換。今、バールさんが使用中です。

裕児さんは透明なボードにライブペインティングしたのですが、TV放送としては、10分間のライブペインティングは避けて欲しいと言ってきました。音だけで声がない時間が続くことは放送事故だそうです。
しかし、「10分は必要です。」とあっさり・強く言ってそのまま通しました。絵を描くことに一切の妥協はありません。

大阪や東京の百貨店の画廊での個展やライブペインティングも、これだけ続けているのはめずらしいことでしょう。祝祭的になり、大阪ではそのまま買って帰りたいという聴衆も現れました。(家の展示スペースの都合で断念したそうですが・・・)。

東京都美術館でジャン・サスポータス、上村なおか、瀬尾高志と私で裕児さんの絵の前でパフォーマンスしたこともあります。これも都美術館始まって以来(DVDに収録)。「朱い場所」「浸水の森」ではそれぞれ作曲を依頼され、作曲演奏をしました。2枚のライブ盤が生まれました。

大きな絵を持ち込めないとなるとスライドで映し出し(サラヴァ東京)、予想を上回る効果があり、ブッパタール公演に繋がりました。友人の画家に予め描いてもらったものの上にさらにライブペインティングをし、その作品は挟みで切り聴衆にお土産に渡しました。(ギャラリー椿)神楽坂セッションハウスではダンサー東野洋子さんが最初に描き、その上に描きました。

最近は宮沢賢治の「土神と狐」(広田淳一演出・内田慈演技・齋藤徹・熊坂路得子演奏)の上演を重ねていて、ライブペインティングをして舞台美術を作ってから上演という形式を取っています。内田慈の演技にはジャン・サスポータスの指導も依頼していました。

自然から得た具体的な自己表現が大きく大きく振れて、そのまま飛び出して世の中へ、人々の中へ還っていくように見えます。

さて明日です。
https://www.facebook.com/齋藤徹のワークショップ-270624306698714/
齋藤徹のワークショップゲスト編最終回 ゲスト小林裕児(画家)
3月11日(日)13:00〜16:00ころまで(途中休憩あり)
「いずるば」大田区田園調布本町38-8
予約3500円 当日4000円