ミッシェル・ニン@エアジン7月12日

12日エアジンでのミッシェル・ニンツアーは、矢萩竜太郎さんと庄﨑隆志がゲストです。お二人と私でこのエアジンでエアジンの四季と題して四季折々でセッションを2年やってきました。こういう面白そうな企てにはいつも積極的に応援してくれるエアジン梅本さんです。

邦楽・雅楽・能楽・美術・ダンス・タンゴを入れたセッションが所謂ライブハウスからは長らく敬遠され「色物」と見られていたことは随分書きました。今は当たり前のように実施されています。よかったよかった。

邦楽を例に取ると、コンサートをするには、師匠の許可を取って、内容・ゲスト・ホールを確認され、およそ聴衆のチケット代では賄えないギャラ・お車代!・花・招待・各方面への御礼などともかく敷居の高いもので、滅多に出来ないものでした。他流派のコンサートには行ってはいけないとか、お祝いをつつまねば失礼とか、判らないことだらけでした。

かたや(日本の)ライブハウスは赤字が当たり前の状態(決して良いことではありません!)、ともかく中味の充実を願うという理想主義・ロマン主義です。

邦楽専門のライブハウス「和音」が日暮里に出来て、ほとんど革命のような出来事でした。やりたいことを実験的でもできる、多大な予算は必要なし、音楽第一なわけです。

ダンス公演でも高額なホールを借りて、生演奏を頼むとなると、多額のギャラを用意していました。(先生と呼ばれました)。既成の音楽を選び、テープを編集する人も「先生」と呼ばれ、多くのギャラを取っていました。演目には最後の方に生徒達の群舞があり、出演生徒達は必死にチケットを売りました。

そんな歴史を経て今が在ります。タンゴのライブハウスもできました。やっと「近代」になってきたのです。

一方、まだまだ旧態依然としているのが、ハンディキャップの人たちの表現状況です。

ドイツでジャン・サスポータスさんと一緒にやっている自閉症をテーマにしたタンツテアター(ダンスシアター)「私の城」では、社会的関心も引きつけていて、アカデミズムからは最先端のハンディキャップ研究の学者が多く参加、美術やダンス界からも注目を浴びています。政治家も聴衆に来ていました。

「インクルーシブ」の考えから、集団の中にハンディキャップの人がいるとどういう影響が出るかなどを統計をとって分析をしていました。(大変良い数字が出ているとのこと)

矢萩竜太郎さんが居ると、その空間が柔らかくなり、普段考えないオルタナティブなアイディアも出てきたりします。同時に自分の中の差別や偽善も厳しく問われます。

庄﨑隆志さんの素晴らしい才能(演出・演技・ダンス・絵画など)は、特筆すべきものです。ダンス終了後まで、彼が聾であることに知らずに純粋に感動したという人は実際に多くいらっしゃいます。

彼が活躍する現場に聾の人たちばかりでなく「聞こえる人」も押し寄せるようになったらどれだけ全員のためになるか、私にはよくわかります。モッタイナイ。

アールブリュットの展覧会やフォーラムがやっと注目を浴びるようになってきました。草間彌生さんはコマーシャルの世界でも大人気です。ヴェルフリの展覧会もありました。

彼等との交流は、相互交流です。相互でしか有り得ません。その交流が曼荼羅のように繫がり、思いもしない展開が起ることを心より期待しています。微力ながら私も復帰後引き続き努力を続けたいと思います。

当日私は不在ですが、是非是非、体感していただきたくお知らせ申し上げます。横浜港から海沿いでは近い有明の海を眺めながら気を送ります。

即興を貫いてきたミッシェルとニン、そこにダウン症と聾のダンサー。彼等に肩書は要りません!ミッシェルとニンと隆志と竜太郎、四人のニンゲンです。

共通するのは、止むに止まれぬ溢れる気持ち。マグロのように泳いでいないと死んでしまうごとく、表現していないと生きていられない、生きている価値がないという四人です!

写真のTシャツは、庄﨑さんが描いてくれた「大丈夫Tシャツ」勿論一点物です。復帰して庄﨑さんと共演する時に着ます!

「エアジンの四季」
7.12 (水) 19:00 開場 19:30 開演
会場:横濱Airegin  (http://yokohama-airegin.com/)
ゲスト:庄﨑隆司(ダンス)矢萩竜太郎(ダンス)
住所:神奈川県横浜市中区住吉町5-60
料金:予約2,500円 /当日3,000円 (ドリンク別) u23 /1,500円
予約:Tel: 045-641-9191