副作用のお蔭で良いことが一つだけありました。夜中に何回も起きるし、睡眠導入剤も欠かせないので時差ボケがあまりないのです。あんまり褒められたことでもないか・・・・
現在も点滴注入中の抗キャン剤の影響でボーッとしている時間が過ぎていきます。残り後2回です。味わいましょう。いろいろとやることがあるのですが、まあ、仕方ない。アヴェック・ル・タン。
日曜日のワークショップの内容だけでもボーッと考えましょう。
実践編では新たな取り組みがあるのですが、話としては、何と言っても、直近のドイツでのタンツテアター「MEIN SCHLOSS」経験を絡めないとイケマセン。私の口から何が出てくるのか、聞きたいです。今、まだホットな体験ですけれど、どんどん漏れ落ちて行き、固定されてしまうのでしょう。その前にね。
まず「ミラーニューロン」との関係です。自閉症というのは、「模倣不全」すなわち「ミラーニューロン」の発育不全が原因かもしれないという説が頭を離れません。その元になる体の中の水分 共振 共鳴 揺れ 袋 膜について触れてからにしましょう。
相手のことが模倣できない人も、相手が自分のことを模倣するとそのことが「分かり」繰り返す内に模倣を始めるという実例もあるようです。
一昨年ブッパタール自閉症センターで行った入居者対象ワークショップでは、動きを模倣できる人もいました。模倣できる人がだんだんと楽しそうになってくる、出来ない人が自分に噛みついて声を上げたり、叫んだりして動き出し、介護の人に連れて行かれたり・・・
何かが反応しているのでしょう。穿った言い方をすると、反応しようとしているのに思ったように反応できない、思いと違った反応がでてしまうかもしれません。
音に対する反応をいろいろと確かめる時間はありませんでしたが、長調のワルツが反応できる人には最も「受けていた」印象があります。
ドンドン外へ伸びていこうとする(倍音列に沿って行く)音に対し妨害する(蓋をする)音がいくつも出てくるのが短調です。発散出来ない、哀しい・悲しい・ブルースを出します。長調は5度を重ねて作ります。理想的にはリディアン旋法です。
ワルツ3拍子は、1拍目が右・左と変わる最小単位ですので、揺れます(スウィング)。体の中の水分が揺れます。揺れとは 混ざること 純から雑への反応。優勢。
いくつか前の投稿で書きましたが、人には固有の音があり、それは膜・袋で覆われていると音が出しやすい、聴きやすい、共振しやすいと仮定します。各袋が独立し隔てられている事でよりよく繋がります。
自閉症の人はその膜・袋がどこかほころんでいる、と再さらに仮定すると、自分の音をより出したいために飛び跳ねたり、揺れたりしたいのではないかというさらなる仮説。体内の水を揺さぶることで勢いを付けたい。3拍子は揺れを誘います。
動きで言うと、綻び(ほころび)を繕う(つくろう)ために相互の模倣を繰り返す。それはすこしずつエスカレートして行きます。体内の水を揺らして綻びの部分にまで及び、繕うための化学反応を起こそうとする。
それを音で言うと、綻びを繕うために身体を揺らすことを自然に誘ってくれる3拍子を好み、アウフタクト(前拍)を強調してそれがエスカレートして、踊り出し、綻びの部分まで水が及ぶ。
更なる仮定ですが、綻びを繕う音は、微かな雑音成分ノイズのような直感があります。綻びの部分まで達するには倍音列に沿った音のほうが良いのかもしれませンが、その場所まで行き着き、化学反応を誘う触媒は微かなノイズ。そして無数の各所で起こっている出来事に即興的に反応できれば、そして、音を出す側もその即興に反応できればさらに良いのでは?なんて夢想します。
さて、日曜までにもっと伝えやすくまとまるかな?
そうそう、6日土曜日夜にはエアジンでの「何でも音楽祭」でAyuko Murakami(歌) 浅川太平(ピアノ・アレンジ)竹内直(サックス・バスクラ・フルート)にゲスト参加した新CD「Naked Circus」クルト・ヴァイル作品集の発売記念LIVEがあり、収録曲を中心に参加いたします。太平さんのお誕生日でもあるそうです!
昨年11月からの入院騒動の中、病院以外で初めて外出して楽器を弾いた思い出深い録音でした。
おめでとうございます!
「私以外のコントラバスは考えていません。」という言葉にグッと来て、ほだされました。少しでも貢献できていたら幸甚です。
AYUKOさんを紹介してくれたエアジンの梅本さんに「こういう録音の話があるんだけど、出来ない場合を考えてお断りして置いた方が良い?」と聞いたら「何言ってんの?出来ることだけを考えて、やるんだよ。出来ないときはゴメンと言うしか無いでしょ。それは病気で無い人も同じだよ」と諭してくれました。
こうやって活かされていく・生かされて行くのですね。大きなレッスンでした。このレッスンが エアジンでの竜太郎 庄崎 かみむらセッション、森田志保公演に、ジャズトリオに、今井和雄とのデュオに、バーバーでのソロに、新生会での竜太郎セッションへ、そして今回のドイツ公演へ繋がったのです。今思うとそれはかなり確かな気がします。そうやって人生も運命も作って行くことが出来るのです。病気であっても病人にならない事が出来ることが大事。
それぞれを目標にしてきて、次から次へと繋がっていったのも幸いでした。盛り上がって終わってしまい、その後が無いと、結構つらいかもしれません。
本当にありがとうございました。AYUKOさん・ウメモトさん。太平さん・直さん、しっかり演奏します。そしてそれを翌日のワークショップへ、そして新たな治療へ、ミッシェル・ニン・徹ツアーへ、更には摘出手術へと!そして秋からのニュー徹ヘ