mein Schloss 2017 終了

2日間、無事終了しました。2日目はジャンも「BEST!」とたいへん褒めてくれました。たしかに、何か出演者の中に一体感があり、それが聴衆にも浸透して劇場内が一つになった感じがしました。舞台の魔力ですね。 また、喜怒哀楽に入りきらない感情が何回も去来しました。あれは何だったのか?自閉症の人達に少し近づくことができたのかもしれません。底知れない孤独や、表現できない悔しさ、楽しく過ごしたい希望、親や医師、施設スタッフの毎日毎日のブルースなどなどのような気がします。
 
 
 
また、私というキャンサーホルダーがいることで、そこへのアクセスが少し楽に見つけられる雰囲気になったのか・・・まさにキャンサーギフトです。
 
ジャンが喜ぶ顔が見たい、という気持ちが強かったので私としても大変嬉しい日でした。
 
何回ものカーテンコールでジャンの手を握り聴衆に挨拶するときは、照明に照らされ、聴衆の口笛や歓声がわき起こり、出来すぎのイージーなテレビドラマのようでした。あ〜来て良かった、最後までできた!こういう人生で良かった、などのシンプルな感慨でした。
 
上演後は毎回、ケータリングがあり、いろいろと話しかけられます。自閉症の研究者との会話にはヒントが多くありました。彼らには東田直樹さんの本を紹介しました。「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」は世界中で翻訳されています。このタンツテアターにも大きなインスピレーションとなっています。
 
昨年も来てくれている聴衆からの話には、とても不思議な一致がありました。
「昨年よりお元気そうに見えますね。なにかあったのですか?」
だって・・・
 
 
そうか、昨年の今頃こそ、ストレスを溜めに溜めてキャンの発射ボタンを押すところだったのでしょう。今年はキャンギフトのお蔭で、視点も下がり、世の中が拡がり、光も見え、メメントモリも日常化し、諦観ではなく、平常のありがたさを慈しんでいる・・・
 
 
舞台音楽というのは、そのままCDになるようなものでは上手く行きません。音楽的にはどこかが足りない位の方が良いのです。音楽は100%を目指しがちだし、時には120%150%やってしまいますが、それでは舞台はうるさいだけ。勇気を持って80%にさらに70%まで減らすのです。
 
 
その足りない部分に、ダンサーの、聴衆の、役者の、新たな想像力・創造力を喚起する「何か」がある!そしてそれが音楽にもフィードバックし、足りない部分が逆転して「いま・ここ・わたし」が現れます。それは新鮮な風になり劇場内を通って行きます。出演者・聴衆ばかりでなく照明にも音響にも事務方にも調理にも感じるものなのでしょう。
 
 
 
撮影の近藤さんと「新生会で竜太郎さんとパフォーマンスしてまだ2週間しか経っていない!」ことにビックリ。ほとんど何年も前のことのようでした。
 
さて、今から、ゆっくりと身の回りの片付けをして、本日急に入った直毅さんとのデュオ、近藤さんのインタビュー、ORTではサヴィーナ・ヤナトゥーが演奏するようだし、他にもパーティやら打ち合わせやらの誘いが入っていて、あっと言う間に帰国、何事も無かったかのように翌日病院へいくのでしょう。
 
なにやら不思議です。
 
多くの人々に、場所に、時間に、支えられての奇跡の実施だったことはゆめゆめ忘れません。世の中奇跡で満ち溢れています。