花とベース

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火曜日からの東京湾にある専門病院で化学療法1週間入院が決まり、何ヶ月かの様子がボヤッと予想できるようになりました。11月27日は本来ならば公園通りクラシックスで佐藤洋嗣さんとの現代音楽・オリジナル・即興のコントラバスデュオでしたが早々とキャンセル。10月31日のキッドアイラックホールでの演奏以来、楽器にも触っていない状態でのゲンダイオンガクは無理です。

2週間おきの46時間抗がん剤点滴、まず私に合うかを確かめ(合わないようなら即中止と主治医は言ってくれています)、副作用を確かめ、どうしても怠くなるという点滴打ち始まりがどの位続き、どの位になると日常に戻り生活が出来、著述・作曲・演奏が出来るのか?これを見極めます。打つたびに46時間入院するのではなく、病院で打って安定したら自宅へ帰り、時間が来たら自分で針を抜くのです。そのために胸静脈に点滴ポートを取り付けるわけです。もうその程度のことはなんくるないさ〜。

主治医は化学療法および肝胆膵内科の専門なので今の私に最適。私の職業についても細心に注意してくれていて(手足先の痺れを何としても避ける)、また地方・外国などへのツアーがどの程度可能なのかも早々と言及してくれています。と同時に、療法の成功率、化学療法で患部が小さくなるのを見計らっての再外科手術の成功率も、統計的にハッキリ言ってくれます。ハイ、完治の可能性はそれほど高くありません(2割弱です、そこに入るのです!)。短時間の面談でしたが、頭脳明晰・判断力抜群、ウソなし、その元になっているのは、たゆまぬ研究と多くの経験。人柄も素晴らしく信頼すべき働き盛りとお見受けしました。さらにご自分の意見こそ唯一最高だというところから自由でいらっしゃる。私はつくづくラッキーです。

稲毛Candyから27日のスウェーデンバンドがコントラバスを貸して欲しいという事だったので、フライトベース「雅」をお貸しすることにしました。コントラバス奏者が海外公演でなかなか楽器を運べないことを熟知しているので、可能ならばなるべくお貸しすることにしています。年頭にはフランス在住のロシア人に長期お貸ししました。知らない人に楽器を貸すのは大変勇気が要ります。が、同業者としての敬意と愛情・信用を担保に心を込めて音楽のため・ベースのためにお貸しするのです。

Candyに楽器を搬入。まだ彼らは到着していません。店主美葉子さんとの久しぶりの再会。大きなシクラメンを一家の励ましと今回のお礼に?頂きました。ありがとうございました!この花は亡き母の一番好きな花でした。娘と思い出話をしながら車を走らせ、代々木の高崎弦楽器まで。「まだしばらく行かないからね、おっかさん。」

私の身体同様にこの2〜3年酷使した楽器「BARRE」を病気入院をこれ幸いと調整に出していました。これから私は自分の自然治癒力の源泉を「音楽」に求めよう、「私の身体・心への音楽療法だ、音楽で治さなくてどうする?」と思っていますのでなるべく早く手元に置いておきたかったです。

ロンドンのロジャー・ターナーさんからの励ましのメールに「寝るときはベースと一緒に横になりなさい」という彼一流のユーモア(or)本気が書いてあったことも嬉しかったし・・・

同世代の高崎さんとはかれこれ40年近くの知り合いです。もう仲間・友人・同士・戦友と言っても良いでしょう。後楽園にあった文京楽器(チャキ)から山本弦楽器そして独立まで全部知っています。今は、ご子息が独立して別のベース専門店舗を開いて成功しているとのこと。

今回楽器を娘が一人で電車に乗って運んでくれ、その際私の病状についても伝えてあります。笑わせる話をたくさんしてくれました。娘は「おとーさんは良い友達がいていいねー」と言ってくれました。ホントにそうです。「あと40年私はベースを修理するのでテッチャンは40年弾いてよね」「そうするとアタシらは100歳、娘は70歳だぜ」と笑っちゃいました。めざせ大野一雄さん。

こんな録音聴いてみない?と渡されたCDがスウェーデンのジャズグループ、そしてそのベーシストこそ、先ほどベースをお貸しした人でした。昨日までここでベースを借りていたのです!

小さなベース界ですが世界中に拡がって、繋がっています。私もお貸ししてよかったな〜と思いました。ベーシスト向上委員会の発足です!

秘密をお伝えします。
ベースが変われば音楽はたちどころに変わります。ベースの意見を尊重してこそ音楽は向上するのですぞ、おのおのがた。ないがしろにしたり、怒らせちゃバチが当たります。

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