静かな音楽を聴く会Vol.5

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http://hanareproject.net/…/20…/09/vol5contrabass-x-piano.php

 

若尾さんのお名前を初めて拝見したのはマリー・シェーファー著「世界の調律」(1986)の訳者としてでした。お〜、やっと日本でこういう本がでる、と思ったものでした。

大きな音勝負のフリージャズに辟易していた当時の私は、やっとヨーロッパでのインプロヴィゼーションの運動を認識し始めた頃でした。1986年は私にとってエポックな年で、初録音「TOKIO TANGO」発表、高柳昌行、富樫雅彦のグループ加入、ブエノスアイレス訪問オスワルド・プグリエーセと共演などなど。

野口三千三、三木成夫、小泉文夫さんの著書に影響されていたころです。フリージャズや叫び以外の方法で、ジャズでもなく(4ビート、8ビートが身体に無かった。)、音楽性も満足できるものってなんだろうと模索をしていた頃です。一方、あんまり頭でっかちは良くない、第一音楽がツマラナイと仕方ないよ、という認識もありました。ゲンダイオンガクにも知的には惹かれましたが、性に合わなかった。

ヒラメキ、演奏性、祝祭性、ダンス、歌、呪術性、即興性、同期、民族性、社会性などなど全部織り込んでいないとと思っていましたし、今もそうです。

その後、「奏でることの力」や「ソニックメディテーション」「親のための新しい音楽の教科書」「フリープレイ」など若尾さんの著書や訳書を買い求めていました。

また、若尾さんが中心になって「日本即興音楽学会」が立ち上がったとき、参加しました。アカデミズムから逃げるように音楽に入ったという経緯もあるし、なにしろ、本拠地が関西なので「学会」にも参加出来ず、脱会。

なにもアカデミズムを無視しているのでは無く、若尾さんの博識や大きさにはいつも敬意を払っていて、デュビュッフェやジャンケレビッチ、ランシエールなどの即興論を教えて頂きたいと思っていました。

ジョエル・レアンドルの来日公演の引き受け、機関誌への私のSkypeインタビュー、フレデリック・ブロンディ(プリペアードピアノ)が初来日したときに当時無名だった彼の関西での世話を引き受けてくださったり、奥様の久美さんと一緒に、実に自在な活動をしていらっしゃいます。

そして今回です。10月2日に予定されている茂谷さやかさん主宰の劇「ルバイヤート」の打ち合わせをしている最中に、参加者の方からの紹介で「フリープレイ」の著者とのライブをやることになり(11月18日)、当然、若尾さんの話になり、若尾さんとたまたま他の用事で連絡があったりしている内に、関西で1日空いていることが分かり、この会に発展したのです。「人生成り行き」です、インプロです。

楽器を持たずに何が出来るかという海童道の「問い」は、ずっとずっと頭を離れません。先週のランドフェスでも大きな音禁止の野外のテラスでした。もちろん海童道が頭をよぎり、「音を出さなければ外で良いのですよね?」とスタッフに質問し、怪訝な顔をされました。

その時は、自然の木々、風、鳥、ドングリなどの音に対し、私自身の輪郭を消して、身体に風・音を入れ込んで、私以外の音を主役にして演奏しました。

今回のSocial Kitchenというところはどんなところでしょう?楽しみです。
アカデミズムやお寺などでの面白いことは関東よりも関西が断然進んでいる印象です。

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