還暦リサイタル

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ほんとうによくできているものです。
還暦とは、0歳に戻るのですな。赤ちゃんになるわけで、第2の人生。(といってもこの先はそれほど長くはありません。)擬似的に振り出しに戻る演出を自らに課すちょうど良い機会。

ドイツで実は結構危うい線を越えてきたことが、最近身に染みて感じてきました。あっけなくあっちへ行ってしまうこともあったわけです。なんでも「ある日突然」。本人は勝手に行っちゃっていい気なものですが、残されたものには実際「良い迷惑」です。まあ、人間同士、そんな関係なのかも知れません。花に嵐のたとえもあるさ、サヨナラだけが人生。

そんな時に友人達が「還暦リサイタル」を準備してくれています。誠に有りがたいことです。私の人生、音楽を「もう1回、見直してご覧なさい。そしてこれから残りの時間になにをするかちゃんと考えなさい。」という叱咤激励に違いありません。

https://www.facebook.com/events/911397095636554/

現状は、ともかく以前に約束したことを何とかこなしています。ようやく、生活のペースもつかめてきて、リサイタルの内容を具体的に考え始めました。(遅いよね〜。ゴメン)

結局は、来し方行く末を占うものになるしかないでしょう。今までの音楽人生をおさらいして、エポックになった曲をやることになるのか、と思い、曲を選択しています。ジャズ・オリジナル・ピアソラ・韓国・ショーロ・バッハ・即興などになるのでしょうか。

私のようなミュージシャンはその場に強く影響を受けるので、現場(ソノリウム)で事前リハーサルの日程を取ってもらいました。贅沢なことです。有りがたい。

まずは、どの弦をつかうか、どの弓・松脂をつかうか、どのエンドピンを使うか、などから始まって、響きの中で選曲を確かめ、靴とエンドピンの長さを測り、どの位置に立つか、などゆっくり決めることが出来ます。所詮トリビアな話ですが、その日の音楽を決定する項目にもなり得るのです。

以前、森田志保さん(フラメンコダンサー)のお誘いで2回ここで演奏しました。(第1回目がセバスチャン・グラムスとのトリオ、第2回目がジャン・サスポータス、喜多直毅とのカルテット)響きがとても良いので、大変良い印象があります。豊かな倍音が響くので一切の余分な力を使わずに出来ます。ツアー中でどんなに疲れていても、こういう音響の場に来るとすっかりゴキゲンになってしまうサガです。

私にとってこの60歳は大きな大きな節目になります。個人的には58歳というのが大きかった。高柳昌行さんの享年が58歳だったのです。あんなに大きく立派に功成り名を遂げたように見えた彼の享年を通り越したことを知った時は衝撃でした。まだまだな私です。思えば明日がjojoさんの命日です。怒られないようガンバリマス。

齋藤徹の世界〜還暦記念コントラバスソロコンサート〜

■日時:2016年7月8日(金)
19:00開場 19:30開演
■会場:永福町 ソノリウム
http://www.sonorium.jp/
東京都杉並区和泉3-53-16
京王井の頭線 永福町駅下車(北口) 徒歩7分
東京メトロ丸ノ内分岐線 方南町駅下車 徒歩10分
■料金:予約¥4000/当日¥4500
■ご予約:ご予約フォーム http://travessiart.com/kanreki1027/
03-5776-4922(音楽事務所アーテム)平日11:00~13:00

写真はドイツ「私の城」リハーサル。実は、入院の前の日でした。

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