ライオンの愛したピアニスト

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先月、松本健一さんにジャズ演奏をさそわれたのをきっかけにして、このところジャズを随分聴くようになりました。やっぱりジャズ演奏におけるベースはどうしても気になるところ。スーパーウーファー(低音が響くようになる専用のスピーカー)を付け足してみると聴きたくなる音源が変わってきました。

オスカー・ペティフォード、アル・マッキンボン、スティーブ・スワロー、リチャード・デイビスなどなどのベースです。驚くほど響くのです。彼らが活き活きとしている音源として、ハービー・ニコルズ、ジミー・ジュフリー、アンドリュー・ヒル、モンクなど「渋め」のジャズミュージシャン。これらの人達がどんなに重要な仕事をしたのかを実感します。もちろんエリントン楽団のベーシストはみな超一流です。一方、ベースアンプ・ピックアップを上手に使った現代のベースは案外スーパーウーファーには響かないことも発見。

ハービー・ニコルズの作曲家としての可能性、ピアニズム、ジミー・ジュフリーの先見性、アンドリュー・ヒルの音楽の大きさ、オスカー・ペティフォードのベースの音、恐れ入りやす。これらのグループのリーダー達はベースを大変重視していました。

アンドリュー・ヒルの音楽は菊池雅章さんに直接つながるように思います。リチャード・デイビスが本気で冒険したのはアンドリューさんのところだったのかもしれません。2ベースのチャレンジもやっていますし、それがそのままエリック・ドルフィーの2ベースの試みに繋がっていますし、現在におけるピアノトリオのベースの在り方の基礎・可能性を作っているようにも思えます。(ソニー・ロリンズもオーネット・コールマンも2ベースの可能性を試していましたが、ひとりが弓、ひとりがピッチカートという役割分担でした。)

私のCDでは2ベースが当たり前のようにたくさんあります。列挙していて、かなり異常な確率。

Coloring Heaven (with Barre Phillips) Tetsu Plays Piazzolla ( with Hiroshi Yoshiko ) String Quartet of Tokyo ( with Keiko Mlizoiri ) Ausencias (with Masaharu Iida) Live at Yokohama Jazz Promenade ( with Joelle Leandre) So Naish (with Nobuyoshi Ino) Amapola (with Nobuyoshi Ino) Bass Duo (with Nobuyoshi Ino) Stone Out (with Keita Itoh) Raku ( with Sebastian Gramss)

4ベース以上だと After You Gone(with Barre, Joelle, William ), October Bass Trilogue (with Barre, Nobuyoshi ), Live at Space Who (with Barre, Bass Ensemble GEN 311) Bass Ensemble GEN 311(DVD with Masao Tajima, Takashi Seo, Kazuhiro Tanabe, Pearl Alexander) Thinking of…( Sebastian Gramss, 10 other bassists) BassMasse( Sebastian Gramss and other 50 bassists)

アンドリューさんはピアノも上手い。スタンダードを弾いたらテテ・モントリューを彷彿とさせ、自由に弾いたらモンクやセシル、エリントンをそしてプーさんを思い起こさせます。(ハービー・ニコルズもアンドリュー・ヒルもアルフレッド・ライオンという名プロデューサーがプッシュしたということです。)

メインストリームには入らないこれらのミュージシャンが大事な仕事をしていたわけですね。しかし21世紀の千葉でこれらを聴くことができます。私が作ったたくさんのCDはどうなのでしょう?どこかで聴かれるのかしらん?

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