三歩目もみごとに踏みだしました。
この日のためだけにウテ・ヴォルフガングはどれだけストレスがあったことでしょう。短く分けると20曲くらいを弾かねばならないのです。事前のメールのやりとりで「それはちょっとムリ」と遠慮気味にでも言えば実現しなかったでしょう。そうすれば即興だけなのです。観光もできたでしょうに。
でも、彼らは「是非やらせてくれ」と言ってくれました。そして、今思えば、来日して数時間後からの毎日のリハーサルで、音楽的にも人間的にも打ち解け、理解し合うことが出来たのだと思います。それが即興にも良い影響をもたらさないはずはありません。
それを支えてくれた日本側のオリジナルメンバー 喜多直毅・松本泰子・さとうじゅんこのみなさんへの感謝は尽きません。ありがとうございました!
皆さんのポジティブな気持ちが合わさって、前日の演劇性の強いインプロとうって変わった力強い音楽劇空間が実現出来ました。
急に思い立ったヴォルフガングさんのドイツ語での台詞もうまく行きました。さすがに俳優です。「抜け殻」という単語のドイツ語が何かわからずにゲーテ・インスティトゥートのスタッフに聞いたりしたことからもいろいろな話題に話が弾んだり・・・
ジャンさんはさすがに全ての台詞を暗記していて、前回とはまた違うアプローチも欠かしませんでした。それは直毅・泰子・じゅんこさんも同じ。みんなそれぞれの1年半の季節を経てきています。「続けること」が本当に意味を持ってきます。Keep on dancing! playing! living!
そして、もちろん、物語のことばを紡いでくれた乾千恵さんに感謝です。
今出会えていることを寿ぎ、今でもここでもないものへ向かうのです。
「舟唄」では、メンバー紹介を含めた各人の無伴奏ソロが有り、ジャンがまるで絶叫アナウンサーのように紹介してくれます。今回は事前にヴォルフガングさんの順番を最後に調整しておき、「Happy Birthday」を急に歌いました。隣で見ているとヴォルフガングさんはちょっと泣きそうになっていました。歌手が2人いる機会なので、アンコールとして渡辺洋さんの詩「ふりかえるまなざし」を演奏できたのもとても嬉しい限りでした。「いっぽ~」というところで泰子さんもじゅんこさんもホントにふみだす仕草をして微笑みを誘いました。終演後の聴衆の拍手がほんとうに温かく力強いもので心を揺さぶられるようでした。
さて、1日だけのオフを過ごしてから4歩目!キッドアイラックアートホールでの「挟み撃ち!」です。直毅さんの音楽・人間に惚れ込んだウテ・ヴォルフガングさん、もはや戦友のようなジャンさん、を挟み撃ちます。今の予定ですと15分前後のトリオを三つ、そして休憩を挟んで全員でのインプロかと思います。切った貼ったの即興だけではない「もう一つのインプロヴィゼーション」の要素がムクムクとでてくるのではないかと楽しみにしております。
是非、ご来場のご検討をお願いする次第でございます。
http://travessiart.com/ippo_tour/
「挟み撃ち!!vol.4」
5月21日(木)19:30open / 20:00 start
■会場:キッドアイラックアートホール(東京都世田谷区松原2-43-11)
■出演:Jean Sasportes(ダンス) Ute Volker (アコーディオン) Wolfgang Suchner (チューバ・コルネット)
齋藤徹(コントラバス)喜多直毅(ヴァイオリン)
■料金:予約3,000円 / 当日3,500円 ■予約先:Tel:03-3322-5564 Mail:arthall@kidailack.co.jp