もう一つのインプロヴィゼーション・いっぽ はみだすために ( 日・独・仏 ダンスと音楽と・・・)2015

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昨年9月にダウン症のダンサー矢萩竜太郎と私がドイツに招かれ4都市で公演をしました。その時のドイツ側の共演者がジャン・サスポータス(ピナバウシュ舞踊団ソロダンサー)、ウテ・フェルカー(アコーディオン)、ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ)さんでした。大好評でツアーを終えましたが、その時の高揚が収まらずに再会を熱望、ドイツ文化センター(ゲーテ・インスティテュート)の助成も得られ、待望の来日をすることになりました!

私が即興をはじめた30年前には想像も出来ないくらい即興が「流行って」います。なんちゃって即興から何でもあり即興まで種々雑多です。

即興の歴史が深く社会で認められているドイツからの3人は、ジャンはダンサー、ヴォルフガングは俳優も兼ね、ウテは音楽教師を兼ねています。ドイツでの聴衆と3人の表現者は、ダウン症のダンサーとの即興に「新たな視点」と「新たな自分自身」を共演を通して「発見」しました。そんな意味を込めて「もう一つのインプロヴィゼーション いっぽふみだすために」とタイトルを付けました。

矢萩竜太郎さんとのセッション、ろう者庄﨑隆志さんとのセッション、昨年上演して好評だったオペリータ「うたをさがして」再演(ことば:乾千恵、作曲:齋藤徹)、音楽家、ダンサー、画家、とのセッション、障がい者施設でのワークショップ、公演など多種多彩なプログラムが出来上がりました。

みなさまとご一緒に「いっぽふみだし」、驚きと発見にあふれた空間を共有したいと思っています。是非、ご来場のご検討くださいますようお願い申し上げます。

注:「いっぽはみだすために」という言葉は3月末に亡くなった詩人渡辺洋さんの最後の詩から拝借しました。

ふりかえるまなざし   渡辺洋

いっぽ ふみだすことや はみだすことで
うつくしさは はじまる
ゆたかさや じょうほうに おぼれて
たゆたっている きれいさが
うつくしさに かわるのは そのとき
いまが そのとき
ねばりづよく

 

さらに遡ってみると:

私がドイツ・ブッパタールに1ヶ月のレジデンス(国際交流基金助成)をしているときに矢萩がジャン・サスポータスに会いにドイツへやってきました。ジャンと徹が竜太郎のためにセッションを組みライブパフォーマンスをしました。

聴衆・共演者ともに深く記憶に残るパフォーマンスでした。共演者の一人ウテ・フェルカー(アコーディオン)が大いに触発され、尽力して2014年にドイツ4都市(ブッパタール・ボーフム・ケルン・ドルトムント)でのツアーを組みました。

国籍、年齢差、ジャンル、障がいの有る無しに関わりなく、共感に満ちたパフォーマンスができたこと、個人の『自己表現』に囚われない大きな視点を共演者・聴衆・スタッフと分かち合うことができたことは特筆すべき大きな成果でした。

インプロの共演者ならいくらでも見つかるヨーロッパにいるのに竜太郎さんや私との共演を願っていると言う点からでもウテさんの音楽・人生・インプロへの動機が見えます。

ヴォルフガングさんはブッパタールでのジャンさんの親友です。ほとんど毎日、近所に住む彼とは森を愛犬スロッギーと散歩しています。演出家として、俳優として、演奏家として様々な舞台に関わるヴォルフガングさんも「普通」のヨーロッパインプロバイザーとは一線を画します。

このツアーは前半と後半に別れ、前半ではジャン・徹にウテ、ヴォルフガングが加わりさらに場所によってはゲストも加わり東京・京都と行われます。後半はジャン・徹にゲストが加わり東京・北海道と回ります。

インプロか作品かは対立項ではありません。インプロの対義語は作曲ではないのです。インプロの対義語は「常識」であり、さらにいえば「自分自身」なのです。そんなことを体感できるセッションになるでしょう。

「あたりまえのこと」から一歩はみだすことから様々なものが見えてきます。「きれい」が「うつくしさ」にかわる驚きと発見です。そんな体験を是非みなさまとご一緒に共有したいと熱望しております。


◆ジャン・サスポータス
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http://www.jsasportes.com/
モロッコ、カサブランカ生まれ。数学・物理・哲学を学ぶ。75年、パリにてペーター・ゴス(Peter Goss)に師事。79年ピナ・バウシュ舞踊団のソロダンサーとなり、96年に独立後もゲストダンサーとして作品に関わる。参加作品はCafe Muller, Nelken, Palermo, Viktor, 1980, Ahnen, Bandoneon等。ペドロ・アルモドバル監督「トークトゥーハー」(アカデミー脚本賞)に出演「世界で一番哀しい顔の男」と評される。「カフェ・アダダンスシアター」、俳優、オペラ演出、振付家、ワークショップなどで活躍。合気道から派生した「気の道」をマスター。日本文化全般に造詣が深い。


◆ヴォルフガング・ズーフナー(チューバ奏者・演出家・俳優)
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音楽と歴史教育の学位を持ち、演出家・俳優・音楽家として活動。

演出歴 „Short Pieces“  „Shakespeare in blue“   „Play it again“  „Bergische Soap Opera“ „Gold ist Trumpf“ „Talort, a Thriller aus dem“ ”Blues Brothers”

ドラマ・映画俳優歴
– 1980-1985 キャバレーパフォーマンス „Fortschrott“,. Street Music West Deutsche Rundfunk 最優秀賞受賞
– 1986-2002 音楽劇„ERNST MUSIC THEATRE“ ゲーテインスティテュートの助成によりベラルーシ・フィンランドツアー 850回の公演
– 2008/2009 音楽劇“Bohm & Böhmer“   - 2010 音楽劇 “Elli and the old masters “   - 2010 “King of the Congo ” ゲーテインスティテュート助成 コンゴのアーティストとのコラボレーション
1999年より 音楽劇 THEATRE DU PAIN のメンバー。 Prix Pantheon ,2014 Oberschwäbischer Kleinkunstpreisなど多く受賞  WDR ; 3SAT , RTLへのテレビ出演 - 2010André Erkau監督の 映画 ” COLD ASS ” 主演
– 2013 „against fascism“

音楽家歴 - 1983 “Hubert Kah“ にてトランペット担当, “NENA“とツアー - 1988 “M.Walking on the water“ にてトランペット・チューバ演奏, CD録音 - 1999-2002 „Jansen + Jansen orchestra“にてトランペット・チューバ演奏、CD録音  作曲家Wolfgang Böhmerの映像でトランペット演奏
– 1986 より „Ernst Musiktheater“ および„Theatre du pain“においてトランペット・チューバ演奏
-2009 デュッセルドルフ劇場„Pariser Leben“およびオーバーハウゼン劇場„Woyzeck“にてトランペット・ユーフォニウム演奏-2010 コンゴのキンシャサにおいてレジデンス 音楽や演劇を実践

-2013 ピナ・バウシュ舞踊団” On the mountain we heard a scream “における音楽


◆ウテ・フェルカー(アコーディオン)
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インプロバイズド ミュージック(即興音楽)を専門とする。ヨーロッパ各地の国際インプロフェスに常時参加しソロなどを演奏。ヴィジュアルアート・映像・演劇・文学・パフォーマンスなどの企画でも活動をしている。現在、ボーフム音楽学校での音楽教師として働く。ブッパータル在住。


◆齋藤 徹
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http://travessiart.com
舞踊・演劇・美術・映像・書・邦楽・雅楽・能楽・タンゴ・ジャズ・即興音楽・西洋クラシック音楽・アジアシャーマニズム・韓国伝統音楽などさまざまなジャンルと積極的に交流。ヨーロッパとアジア・日本をつなぐ「ユーラシアン・エコーズ」「オンバク・ヒタム」シリーズをプロデュース。ヨーロッパ・アジア・アメリカでのフェスティバルで毎年公演。海外のコントラバス関連のイヴェントにも積極的に参加、新しい奏法、教育方法、ガット弦の使用などで注目されている。2001〜12年上智大学非常勤講師。2006年レーベルTravessiaを立ち上げCD/DVDを数多く発表している。

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