こういう音たちがポレポレで生まれていることが素直に嬉しい。
日本の「前衛音楽」の影響を濃厚に持つ今井和雄さん。タンゴやクラシックから突然この世界にやって来た喜多直毅さん。橋渡しの私。
世界のどんな舞台でも、どんな状況でも、どんな聴衆に向かっても、いや聴衆がいなくてもたった一人で演奏できる、そんなヤツらです。何と素晴らしいことでしょう。コンセプトで武装・防御する必要もなく、流行とは無縁、金銭の命令・指示にも従わず、狂おしいまでに激しく・優しく。
そんな「不可能」を可能にしているものは何?
孤独の深さ、技術の確かさ、願いの強さ、とも言えるし、音楽「欲」の大きさとも言えるでしょう。共有したい、伝えたい気持ちと少しでも遠くへ行きたい欲求、世の中で一番大事にしたい気持ちと、そんなものどうでも良いという気持ちの共存。
いくら言葉を羅列しても言い切れない、だからこそ誠に貴重な時間と音でした。