セバスチャン・グラムス 録音紹介 その3

atopie9:Atopie JazzHausMusik JHM213 2012
セバスチャンの音楽が露わになる完全ソロ録音です。使用楽器は先日私が借りていたハンガリーの1997年製をメインに、ペーター・コヴァルトのメイン楽器、そして共鳴弦のあるSPACEBASSということ。
ステファノ・スコダニビオさんに捧げた曲もあり、両手での人工ハーモニックスや、スコダニビオ考案のスコラダトゥーラ(イレギュラーチューニング)など満載です。20曲あります。いままで載せたCDを見ていても、セバスチャンはCDを作るときは短いトラックを好んでいるようですね。

なお、アルバムタイトルのアトピーとは、日本で流行っている皮膚病のことではなく、場所を表すトポスと打ち消しの「a」の合わさった言葉(ギリシャ語の哲学用語)とのことです。すなわち、場所でない=異常=不可能性のことのようです。
バール・フィリップスさんとインプロの事を話し合っていたとき、彼が「インプロとは不可能性」と言ったのを思い出しました。

 

homo ludens

10:UNDERKARL(HOMO LUDENS) PLUS FOSSILE 3 78RPM
2013年にセバスチャンはエコー賞というものを受賞しました。なんでもドイツではかなり権威のある音楽賞のようで(アメリカのグラミー賞にあたる)、授賞式はテレビ中継され、そのために(息子のためもあり)セバスチャンはスーツを新調したとのこと。(普段はミュージシャンらしくTシャツです。)ドイツナンバーワンベーシストの誉れを頂いたのです。その模様がここに!
https://www.youtube.com/watch?v=lkz-FPUjXPw&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=xoL4msAhSmo
受賞記念のオムニバスCDです。
いままでここで載せたCDからの抜粋の他、マリリン・クリスペルとの共演やペーター・コヴァルトとの共演も入っています。
ホモ・ルーデンス・・・レオ・ブローウェルにも同名のCDがあります。遊ぶものとしてのニンゲン。神のみが「遊ぶ」とした古代アジアの思想ともどこかでリンクしますね。ジャケットにはしっかり「エコー賞」受賞のシールがありますね。

 

raku-jacket-white 表

11:樂 RAKU  travessia TRV-015 2014
そして来日記念CD「樂」です。ハイ。
樂と言う漢字が、土台の上に二つの弦楽器があるかたちということを知り、また、私とのデュオが、いままでのインプロのベースデュオよりも「楽しそう」ということもあり、ネーミングしました。

昨年6月、私とセバスチャンのツアーライブ・スタジオ録音より抜粋しました。ダルムシュタット、ハイデルベルク、フライブルク(バイオリンのハラルド・キミックとのトリオ)、ミュンヘン(バール・フィリップスとのベーストリオ)

素晴らしい出来映えです。ハイ。是非、お求め下さいませ。
題字は前作「明」(喜多直毅とのデュオ)より引き続き板谷諭使(ITAYAN)、デザインは齋藤真妃です。

この時は、私がペーター・コヴァルトの楽器を(左チャンネル)、セバスチャンがハンガリーの楽器を弾いています。セバスチャンがライブ前に素速くセッティングした超シンプル(ズームとノイマン2本)録音ですが、超優秀録音でもあります。私のガット弦の音もキチンと捉えています。

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