Barre 3days at Space Who 初日

本ツアーを締めくくるのは、Space Who ( Egg Farm ) でのバール・フィリップス3daysです。バール・フィリップスの小フェスティバルのようで、こいつぁ、実にめでたいめでたい。初日のバール・高橋悠治・小杉武久のトリオは、ビデオ・写真撮影がNGだったので、現地に向かう車の写真を上げます。

 

組み合わせの妙からか、三日間で一番多くの聴衆が集まりました。現代音楽フリーク、インテリライター・ファン、組み合わせで興奮している人達、さまざま。全国から集まっているようです。深谷駅前ホテルに三泊する人も。堀川久子(美学校で小杉さんの生徒だったそうです。今井和雄さんも同様)・高岡大祐・瀬尾高志など共演者も聴衆に混じっています。雰囲気が盛り上がりますね。

 

そのなかに湯浅学さんの顔を発見。かつて私の韓国ものをディレクターとして関わった仲間。それ以来なので15年位経つでしょうか。彼と森田純一さんらと何枚もの韓国シャーマンとの共演を録音、くっ(祭り)への参加、ポンチャックの発見、珍島への珍道中もあり。湯浅さんは「ディープコリア」などの著作もあり、幻の名盤解放同盟でも著名。なつかしいです。

 

つい最近、奥崎謙三のドキュメントDVDの中に写っていた湯浅の姿を見たばかりでした。原一男監督が今村昌平さんの示唆で作った「ゆきゆきて、神軍」は有名ですが、それではありません。実は原組でのニューギニア撮影フィルムも大量にあって、ロケから帰国当日にインドネシア政府に没収されたとのこと。その後どうなったのでしょうか?戦時のニューギニアと言えば、大野一雄さんも居て、どんな(飢餓)状態だったのでしょうか。彼のダンスに影響があったのか・・・

 

大入り満員、期待で華やぐホールで演奏が始まりました。伝説・逸話をいくつも残している三者は、それぞれの生き方なりの音を出していきます。堂々たるものです。私は突発性難聴になってから、ある種のエレクトロニクスの音が大変苦手になりました。発症の時のことを思い出しちょっときつかったです。ほとんどのお客様は満足されているようで、早くもCD化の話さえ出ていました。また伝説誕生?

 

ヨーロッパの美術館でバールが観た小杉さんは、雪の降りしきる屋外でサックスをもったまま小一時間立っていたそうです。(もちろん)サックスは吹かず、インストールされたエレクトロニクスが時々鳴っているだけだったそうです。ケージものを一緒にやった時、バールは弦を偶然性に任せて張り替えて演奏したそうです。今の私は、音楽や工夫の斬新さよりは、人間の行いや願いとしての音楽・演奏がより大事なのだ、ということを逆に気づかせてくれました。

 

本日の演奏は、1時間という約束で始まったそうで、ちょうど1時間位経ったところで小杉さんが演奏を終了。なんとなく終わりにくかったピアノとベースのデュオが数分続きました。悠治さんがバールの手の内も頭の中もすべて見透かしているようで、その様子が大変スリリングでした。

 

バールを深谷のホテルに送り、私達一家はご近所に住む小林裕児さん宅に二日間やっかいになりました。竹林を背後に持つ、山の中のスバラシイ環境の画家のお宅です。

 

今日も多くの人にありがとうございました。あと2日。

 

 

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