人様のための即興講座は実は・・・

人様のための即興講座は実は・・・

 

 

 

先日、ある共演者と話をしていて「私は、すでに一周回った気がする。これからは前周をなぞらないように注意しながら人様のためになることができるのかもしれない」と殊勝なことを口走りました。すると、まだ40代の彼は「わたしは、まだオレ様のためにやります。」と素直に返しました。良いことでしょう。

 

それぞれの季節にそれぞれの花が咲くように時々で役割があるのでしょう。

 

 

 

ベースアンサンブル弦311とバール・フィリップスのセッション。DVDをご覧になってもおわかりかと思いますが、このグループでは「かひやぐら」を除いては、インプロヴィゼーションのパートはかなり限られています。自由に演奏する場面でもスケールやリズムが決まっていたり、奏法が決まっていたりです。

 

 

 

このグループでは、まず第一に新しい「コントラバス音楽」を提示したかったからに他なりません。それがある程度の成果を上げた今、バール・フィリップスとのセッションという絶好の機会に、このグループでのインプロヴィゼーションをやってみようと思いました。ある意味で「賭け」かもしれません。しかし、311と原発事故後の収録という特異な共有体験をし、和弘・真佐雄さんとはピアソラだけのトリオも経験し、高志とはデュオの経験も多くあり、パールとはインプロのデュオも茶会記で経験しました。

 

 

 

このグループがインプロの世界にあまり染まっていないところを最大限に利用して、私の考えるインプロの可能性をバール・フィリップスと共に探ってみる価値は大いにあると信じました。実は、5月の「いずるば」でのジャンとの共演がひとつの区切りだと思ったので、その直後、一人一人と面談し、このセッションについても話し合いました。

 

 

 

このセッションについてそれほど実感のないメンバーにとっては、面談したいという私の意図は伝わらなかったのかもしれませんが、わたしの気持ち次第で引っ張っていけるという確信は得ました。

 

 

 

メンバーにはいろいろと謎かけをして、ともかく考える時間をもってもらい、10月にエアジン、アケタとライブをやって27日のセッションに備える計画をたてました。いろいろな場を見つけては、「なんのために音楽をやっているのか」という面食らうような質問をしてみたり。「効果とは何?」と質問してみたり。

 

 

 

一回目のエアジンが先日無事に終了しました。

 

事前にメールでさまざまな謎かけを伝えておきました。

 

曰く

 

「半眼微笑」目はうすく開け、焦点を合わせず、全体を見渡し、口元は微笑んでいる。演奏中はこれを実践せよ。

 

曰く

 

聴く・待つ・信じるが同意であることを確かめよ。

 

曰く

 

インプロの反語は作曲作品ではなく、「あなた自身」であり「常識」だ。

 

曰く

 

音(そしてノイズ)は終わった後の沈黙を深めるためにある

 

 

 

ほとんど禅問答のようですね。決して詳しく説明しません。

 

 

 

私の心配はどこ吹く風、彼らの方が先を行っているようでした。ミラーニューロンを使うというパートでは、あっと驚く工夫が炸裂。ちょっとヤバイかな?終われなくて困っているのか?と感じるところもありましたが、信じて、待ちました。そしてそれが奏功しました。コントラバス無しでミュージシャンたり得るのか?のパートも意外な展開に満ちていました。

 

 

 

なんのことはない、私自身への課題と実践だったのです。

 

 

 

このワーク・イン・プログレス、9日のアケタ、27日のスペースフーです。ご興味のある方は是非。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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