ドイツから4

ドイツで教会での演奏が続きます。八月が十四世紀の教会、今回は百年ほどまえの旧東独の教会。いずれも趣があります。日本でもお寺や神社でもっと催しがあればいいですよね。
真新しいリノリウムの上で久しぶりのショートピースのリハーサル。前回が二年前のブパタル、その前がボゴタ、日本以外が続きます。
二人とも二年間それなりの変化があるので暗黙のうちにそれを活かす方向で進みます。より即興的になっているようです。キャラクターのあるものなので、馴れ合いや自身のコピーが一番危険であることは二人とも熟知しています。
ラデボウルのワインフェスのオープニングなのでスタッフや聴衆の新鮮な期待が感じられます。
リハーサル後に表に出ると街は一変していて、手に手にワイン、ビール、シナプスを持ってしゃべり、歩き、笑うひとが一杯。日曜午後の下北沢のようです。スーッと歩けません。トイレは急に50セント必要になりますが、十人は並んでいます。私達も特例無く並びます。
八時に本番開始。快調に進みます。お借りした楽器はもちろん東独製。無骨ですが、鳴るところはしっかり鳴ります。ガットに張り替えると、渋く教会の天井に響きはね返ってきます。ガットらしい音。やはり、完全即興のパート「 ケ・セラ・セラ」が一番楽しくできました。ところが好事魔多しと言いますか、一番太い弦がはずれてしまいました。仕方ありません、張ってあった弦の三倍は太い弦なのでホゾに入りきれない訳です。
焦ることもなく、戻そうと三回ほどトライしましたが無理。そのまま三弦で最後まで弾きました。enjoy the difficulty です。
演奏後、高揚した気分で人の流れに沿って訳でワインやシナプスを飲みながらゆっくり夜は更けて行きました。夜1時まで大騒ぎでしたが、時間がくるとピタリと終わり。この辺もドイツらしい。

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