gracias a la vida

横濱は良いね。だってオトナが遊んでいます。トーキョーでは遊ぶのは子供、オトナ達が商売と称して子供達のお小遣いを狙っています。
ミロンガで横濱に行って来ました。場所の名前が「Night Fire!」だぜ。スゲーだろ?つい、「!」を付けたくなるし、こういう口調になっちまいます。以前、元町の野外プールの「上」で音楽会をやったことが有りました。亡くなったキムデファンさんや山下洋輔さんらも出演、私は栗林秀明さん達の箏アンサンブルでぶりぶり演奏しました。ちょっと考えたらわかるのですがプールの底は深さが一定ではありません。そのためステージを作るのは至難の業。しかし横濱のオトナ達はこういう時に燃えます。一級建築士たちが集まって、この日のためだけに完璧に水平なステージを作り上げました。スゲー。音響の人は自作のスピーカーを持って来るし、伝説のライダー集団のボスもいました。トーキョーでは会えない種類のオトナばかり。
夏至が過ぎたばかりなのでまだまだ明るいなか、6時過ぎから仕事帰りのオトナの男女がタンゴを踊るためにいそいそと黄金町に集まってきます。女性達はトイレで着替えてちょっと派手になりますが、イヤミはありません。(ブッパタールのカフェアダのミロンガでも平服のオトナばかりでした。)居酒屋でくだを巻いたり、家に帰ってテレビをみたりするのに比べると「スゲー良い感じ」です。「今日はタンゴに行くのだから、あなたたち子供は留守番です。ピザでも取って早く寝ていなさい。ゲームなんかしてバッカじゃない?」ってな感じなのでしょうか。想像するだけで痛快です。
でもバカ騒ぎをするためのものではないのです。特に今日は、ある夫婦の切なる願いが発端となったミロンガでした。多くの方がそのことを知っています。もちろんミュージシャンも知っているし、駆けつけたプロのダンサー(リリケン)ももちろん。
聴いたり見たりするだけでなく自分から歌い、踊り、音楽を奏でる、これが成熟した共同体でしょう。お金のかかることではありません。(バリ島では当たり前。)
しかし、仕事して食べて飲んで歌って踊って、そんなシンプルな生活がどんなに尊いことか!!!
なぜかミルトンナシメントの↓の歌をずっと思い出していました。
nos bailes da vida(人生のダンス)
milton nascimento  /  fernando brant(高場将美訳)
人生の舞踏会で あるいはバーで
パンと交換に
たくさんの善人たちがこの職業に踏み込んだ
楽器を弾いて歌うという職業
金を払った人がそれが聞きたかったかどうか
そんなことは気にかけず そんなもんさ
歌うというのは太陽にぶつかる道を探すこと
わたしは昔の自分をいつもよく覚えている
歌うとなれば遠いものはなにもなかった
すべて結構
トラックの運転台で土の道を走っても結構
そんなもんだった
ずぶ濡れの服 泥だらけの魂
すべてのアーティストは人々のいるところへ行く
そうだったのだから これからもそうさ
歌いながら自分を壊し でも私は
生きることに疲れない 歌うことにも

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