濃厚な4日間

濃厚な4日間でした。
1日目:コントラバスソロ@アケタの店
もう30年近く演奏している愛すべきスペースです。前半は、ショーロとピアソラを交互に演奏しました。
ナケリ・テンポ(ピシンギーニャ)ブエノスアイレスの秋(ピアソラ)ケブラディーニャ(ナザレー)タンゴエチュード3番(ピアソラ)オ・ブーダモスカ(ジャコー)鮫(ピアソラ)デスバイラーダ(ガロート)リベルタンゴ~忘却(ピアソラ)鱈の骨(アラウージョ)
どれも演奏の難しいものばかりですが、楽に弾くように心がけました。店の島田さんは最近ブラジルにはまっているので、休憩中もブラジル話で盛り上がります。後半は即興1本45分。最大限に集中して、同時に、客観的に、という難しい課題です。鍛えられます。終演後はエリントンのピアノについての話になり、20年前私も随分集めたLPなどの話は懐かしかった。
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2日目:シアターχ 照明家・相川正明さん追悼祭1日目。やはり亡くなった音響の川崎克巳さんに紹介されたのが25年位前。その後、さまざまな場所と環境でご一緒しました。1回見ると振付をほとんど覚えてしまうという異能でした。最近では、スタッフを育てることにエネルギーを注いでいました。また、ご自分が表にでることもあり朗読をしたりプロデュースをしたりでした。それもそのはず、もともとは天使館でダンサーをしていたそうです。
イッセー尾形の照明もずっとやっていました。イッセーさんと桃井かおりさんと三人が出演したVシネマもあり、演出の森田雄三さんがスピーチとともに少し上映もしました。「あまり照明に凝らない照明」と同スピーチでも言われていました。全体の実現を一番にしていたからでしょう。前述の川崎さんも同様で、多くの機材を持ち込んでも、必要が無いと「使わない」という音響をしていました。凝るときは目一杯凝って、やらないときは全くやらない、そういう一筋縄ではいかない「スタッフ」がどんどんいなくなります。
私がこの日、担当したのは、4人のダンサーとのセッション30分と黒沢美香さんソロ。ともにピアノの千野秀一さんと久しぶりにご一緒しました。美香さんは直前に「演奏してください」と依頼して来ました。ハイ喜んで。
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出演者も聴衆も全員1000円を払っての会。満杯で入りきらない客席と終演後のロビーの賑わいは、相川さんを表しています。親分肌で飲むのが好きでした。前日まで若手のダンサーの照明をしていて、翌朝、亡くなっていたという人生だったそうです。カッコイイ最期だけど,早すぎるよ。
何かと私のことも気にしていてくれて、座高円寺での「オンバク・ヒタム」の時は、帰国の日、成田から直行してくださり、大変気に入ってくれて「これで世界に打ってでようぜい!」と言ってくれました。大変嬉しかった。
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美香さんと南椌椌さんのオブジェ

3日目:鹿嶋ジャズアドヴェンチャーvol.8に田辺義博エスタモス・アキで出演。高柳昌行さんのドラマーを長年勤めた山崎さんが中心に地元で行っている手作りフェス。田辺さんも高柳門弟です。今年は震災チャリティの意味も込めたものでした。行き帰りの車中でずっと美空ひばりの古い録音を聴いていました。耳に入り込む声と抜群の歌唱力。バックバンドも当時の最高のミュージシャンを集めたのでしょう立派な演奏です。
私が感銘を受けたスピーカーにタッド(木下モデル)というのがあり、かつて演劇の音楽をやっていたときの音響のかたがそれを4台持ってきてくれました。どんなに大きな音でもうるさくない、うるさいというのは歪んでいるからだ、ということを学びました。
そしてこのスピーカーを常備しているのは帝国劇場と美空ひばり宅だとも教えてもらいました。ひばりさん、いったい、どういう人だったのでしょう?
4日目:うたをさがしてトリオ@ギャラリー悠玄
年末近くのこの時期にお呼ばれして4年目。古き良き銀座の香るこのギャラリーで演奏するのはとても楽しみにしています。今年はさとうじゅんこ・喜多直毅さんと演奏できました。これから10日間で4回演奏するトリオです。アンゲロプロスの台詞に曲を付けたもの、インドネシアもの、オラショ、宮沢賢治もの、そしてこの日、乾千恵さんとの共作の新作「ひかり しづけき」をお披露目しました。大変評判が良く嬉しかった。アンコールはリンゴ追分。
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階上のシェリークラブで西村京太郎のTVドラマの撮影をしていて、ケンカッぽい台詞が聞こえてきたり、なんだかワサワサしたり、も結構楽しめました。
悠玄の佐藤省さんのご友人には美術の他に、文学・出版関係の方も多く、この日は吉田美和子さんが盛岡からわざわざおいでいただきました。やはりこの日のために上京されたという京都の書家・新井九紀子さんは、先日、同志社でのミッシェル・ニンのセッションでもお会いしました。
吉田美和子さんは吉田一穂の評論では一番わかりやすいので、ずいぶんとお世話になりました。賢治、亀之助、一茶の評論も出していて私は1ファンでしたが、ご本人にここでお目にかかれようとは思いもよりませんでした。小熊秀雄の評も書いたのよ、と教えてくださいました。人との出会いに、古き良き銀座を堪能できました。終演後の会食でも朗らかな時が流れ、じゅんこさんが「秋田大黒舞」をアカペラでうたい「こら目出度い、目出度い」楽しく夜が更けて行きました。

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