ベースアンサンブル「弦・gamma/ut」(2)

演奏予定曲の続き
stone outより トンビ・終曲
最近の投稿で書いた韓国もの。ストーンアウトとは金石出さんの名前の英訳だったのだが、隠語で「麻薬で飛んでいる」という意味があり、アメリカで演奏した時に、ずいぶんからかわれた。まったくそういう意味合いは有りません。
クッコリチャンダンで乗ります。永遠に続く円運動。
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かひやぐら
この曲も長い説明が必要ですが、極簡単に言うと、テクニックを使わない(使えない)状態をめざす奏法です。表現する・上手く弾くという暗黙の前提を疑う。人の手のかからない音が一番良い音ではないか、ということから出来た奏法です。ほっておくといつの間にか表現しようとしてしまう心との戦いでもあります。さらには「表現しないようにしよう」という表現をしてしまう心との戦いとも言えます。楽器を寝かせて演奏します。「かひやぐら」:蜃気楼のことを吉田一穂はこう詠みました。
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浸水の森、テーマ~夜
私の最新の曲から。5月に発売の新CD「浸水の森」は小林裕児さんの絵に付けた曲集で喜多直毅さん・佐藤芳明さんと演奏しました。その中からテーマ曲と夜をベースアンサンブルで演奏したかったので選びました。「夜」には5拍子のダンスの場面があり、コントラバスがいかにダンサブルになりうるかを試したいと思っています。
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For ZAI~オンバクヒタム桜鯛
東南アジアから、琉球を通り、朝鮮半島に行き、さらに日本海側に流れ着く海流・オンバクヒタム(もう一つの黒潮)は私の大きなテーマです。マレーやインドネシアの打楽器的音楽のピッタリ合っているところとだらしなく〈いい加減〉な部分を表しました。
桜鯛編は高田和子さんに捧げました。最後にメンバー各自がコトバを歌うか詠むかする予定です。
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こうやって演奏曲をふりかえるといままでの自分のまとめをやっているようです。まとめをして振り返るのではなく、まとめをして先に行くためにしたいですね。
ポレポレ坐の告知に書いたジャンさんについての文章です。↓

<<公演内容変更のお知らせ>>
ピナ・バウシュ舞踊団の公演地・香港で来日を準備していたジャン・サスポータスさんは、このたびの大震災のためやむなく帰国しました。
「私の心は日本とドイツの間でさまよっています。」と悲痛なメールが届きました。
「ベースの森の中で」企画は、長年の念願だったので、
とりわけ悶々としている中、Skypeを使って参加するという方法を考えました。
インターネットを使ってリアルタイムの映像をポレポレ坐に写すのです。ジャンさんは、7時間の時差などものともせず、時空を越え、ブッパタルと東中野を自在に行き交い、ポレポレ坐の壁に入り込み、世界で一番の微笑みをみんなに届けてくれるでしょう。私たちの心は常に一緒にいます。たまたま場所が違うだけです。

いつの日にか本当の平和になって、いや平和を創り、
改めてポレポレ坐に生ジャンさんを迎えましょう。
(齋藤徹)

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