徹の部屋VOL.9 黒沢美香さんと

美香さんのことを考えていたら、ザ・ピーナッツを思い出した。

シャボン玉ホリデーやモスラが全盛だった子供時代。怪獣映画を近所の東宝に観に行き、クレージーキャッツやスマイリー小原を白黒テレビで楽しんでいた。「恋のフーガ」「恋のバカンス」「ウナセラディ東京」「振り向かないで」「情熱の花」「モスラ~やっ」・・・

YouTubeで観たら、ほとんど知っていた。思えば、いろいろな外国の良い歌を探し、見つけては喜んで、「良いね~」と長年過ごしてきた。高場将美さんのお陰さまで、その数はラテン系でどんどん増えていった。一方、ニホンの歌謡曲に夢中になったことはなかった。エノケン、クレージーキャッツの流れはずっと気にしていたけれど。

トニー・ガトリフ監督の「ベンゴ」で「ラブユー東京」を日本語でうたうフラメンコ歌手にビックリ。そうか、この歌は世界のスタンダードになっているのか(あるいは)成りうるのか。ラテンフレーバーを付け足したムード歌謡。

外国のいろいろな要素を盗み、折衷し、ごちゃ混ぜにし、そう、それこそがニホン。かつては電気製品もオモチャも、外国から取り入れて、ホンモノよりも良いものを安く売って、成長してきた。

ウナセラディはイタリア語だし、フーガは西洋音楽用語、バカンスはフランス語、「情熱の花」なんてベートーベンだぜ。

マレーのシャーマン達と演奏した時、彼らは、ラテン音楽を自分たちのものとしていた。世界の港の交易。

世の中の大多数は、「本物」なんて面倒臭くって、求めてはいない。何が本物かだってあいまいなもの。折衷OK。キャッチーなメロディとコトバが流行るに決まっているじゃん。時代を生き延び、残る。そこには多くのプロ達の絶え間ない情報収集と生産・競争があったのでしょう。人々に愛され、世の中の役に立つ歌達。

三畳の「お手伝いさん部屋」で見つけた「明星」は、秘密めいてドキドキしてページをめくったことがあった。若い友人は、「集団就職で上京した若者が、町工場の仕事の後、下宿に帰ってラジオで聴いているのを想像してしまいました。」ということ。確かに、柴又「とらや」の隣、タコ社長の印刷工場で歌われたのは、「スイカの名産地」だけじゃ無かったでしょう。

てなわけで27日は、こんな曲を弾くかもしれません。(実は、「羊の歌」第2章で少し試してみました。)イェイイェイイェイイェイ

是非、お越しください。

徹の部屋vol.9
黒沢美香(Dance) × 齋藤徹(bass)

2010年8月27日(金)18:30開場 19:30開演
予約2500円、当日3000円(+要ワンオーダー)
場所;space & cafe ポレポレ坐 (JR・大江戸線 東中野駅前)
予約:03ー3227ー1405(ポレポレタイムス社)

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