小林裕児さんとのライブ(続々)

ミッシェル・ドネダ、バール・フィリップス、フレデリック・ブロンディ、ジャン・サスポータス、ザイ・クーニン、岩下徹、東野祥子、上村なおか、武元加寿子、佐藤佳子、西陽子、井野信義、山崎実・・・小林裕児さんとのセッションに参加した人たち。

すなわち、その時々で、私の一番興味のある、あるいは私の招聘した人たちだ。それぞれの時・場所で、対応し水準の高いライブペインティングが行われ、それぞれのゲスト達、聴衆は満足し、喜び、再演を願った。それは小林さんの画家としての才能と共に、絵を描くと言うことに徹し、余計な夢を見ていないことにも遠因する。

ダンスが、音楽が、それぞれ独自に成り立ち、絵も独自に成り立つ。そのための厳しい日常をお互い察知し、認め合い、尊敬することが必要。何を求めて、何のためにやっているのかを、互いに思い出させる。同じジャンル同士だと、飽和してしまって、出てこないような基本的なことどもがあらわれてくる。

ジャン・サスポータスさんと小林さんのセッションは、共演史の中でも特別だった。浅草アサヒビールホール、ギャラリー椿、東急文化村ギャラリーと共演、日常的にもよく一緒に食事をしたり、アトリエを訪ねたりした。ピナさんの亡くなった日も一緒に食事をしていた。話題は食材から、映画、聖書、動物などなど多岐にわたる。身の回りの世界の広がり方を共有していた。人生の肯定、幸せの楽しみ方を知っている。

小林さんご夫妻は、鳥のこと、動物のこと、植物のことを本当によく知っている。開田高原で遊んだとき、すべての鳥の鳴き声を聞き分け、植物の名前を教えてくれ、馬たちのスケッチの現場を見た。羊を飼っていたために、郊外に住み、現在のアトリエは竹林を背後に持つ、携帯電話圏外という理想的な場所。しかしそこから首都圏や各地の美大へ教えに行く。さらに、週一回以上は首都圏の演劇やダンスを観に行く。出てきたばかりの若手集団だろうが、超人気歌舞伎だろうが、全く差別はない。そして1日に何十枚というスケッチを欠かさない。

そんな日常があるからこそ、どんな共演者が何をやっても、あたふたすることは一切なく、堂々といつものように絵を描くことができるのだろう。

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