幸せの種

土曜日 この日はメンバーが揃わないのでオフ。それでは、とトーキョーガイドを引き受けた。今回のメンバーの指向から言って皇居(バルトの皇居の指摘がこのBLANCプロジェクトの発端)、東京タワーからの展望、浅草、蕎麦屋、などをつらつら思って電話を待っていた。と、「演奏のための仕事を各自でやるから、観光は無し」。つくづく仕事をする人たちだ。今までの来客はトーキョー観光が好きだったのでちょっと肩すかし。

日曜のリハ。ジャックがなにやらKINKO’sの大きな紙袋を持っている。前回までの譜面を大改訂し、50枚近くになってきた。ありゃりゃ。譜めくりだけでも大変。70のシーン分けは同じ(これは、川端康成の小説「名人」の碁から取っているそうだ)だが、各部分にすべて「表徴の帝国」からの単語が配置されてきた。デジャビュとかデラシネとか、日本でそのまま使われているよというと、一同ビックリ。

これで全く様相が変わった。技や音響を高め合って瞬間を求める要素はぐっと少なくなる。あくまでもクール。その中に2カ所「free area」 が配置されコントラストをだす。各ユニットもショートとノーマルに分けられていた。

「普通」の即興はいつでもできる、その先を求めている、というスタンスなのだろう。

リハーサル後、ヴィデオのアレクサンダー夫人と生後4ヶ月のベイビーとともに全員で「塩」。ここの繊細かつ大胆な料理を大絶賛。フランス寄りの人たちは必ずここが大好きになる。アレクサンダーなどはジュネーブの実家から「塩」までの道順を覚えなきゃ、そうだ、グーグルアースのストリートビューで記憶する、なんて。

新生児「ルー」ちゃんは何処へ行っても大人気。よく笑ってくれる。「塩」でもお客達が抱っこしたがり、スケッチをする常連もいる。「塩ママ」はなかなか放さない勢い。赤ん坊はみんなの希望と記憶を良い形で呼び起こす「幸せの種」。夢見がちでヤクザな演奏家たちのたくらみを見守ってくれ。

明日の演奏は、リハを重ねたもの(一時間超)と、即興演奏の二部になる予定です。所謂ビッグネームではないですが、実際にシーンを作り、試行錯誤しながらも、動き回っている良い奴らです。情宣をほとんどしてないので、お客様の入りが心配されます。お誘い合わせの上ご来場お待ちしています。

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