ココロからバンザイできないな~という直感は残念なことに正しかった。前回書いたヤマはまだまだ終わっていませんでした。ヤマまたヤマ。
随分前のこと、「テツさん、病気を楽しんでますか?」友人のザイ・クーニンが言いました。こんな忙しい時にあれも出来ない、これも遅れる、あ~あ~、と愚痴ばかり言っていた私には、全く予期せぬコトバでした。そしてこの教えは、私を意外なほど楽にしてくれました。自分を笑ってしまいました。視点の転換だけでこれだけ変わるのだと実感しました。
ザイはマレーのシャーマンの家系です。シンガポールではマレー人、特にシャーマンは規制され差別され、音楽や踊りをはじめ社会生活自体が制限されてきています。その低い視点からの知恵なのでしょう、血のにじむ歴史からの知恵。それ以来「困難を楽しむ」というのが私にとって苦しいときの大きな指標・目標になりました。
ナンシーの隣町バンドゥーブルで25年ミュージック・アクションというインプロ系では世界で一番すばらしいフェスティバルを主催している友人(ドミニク・リピコーさん)がいます。ある年のこと私も演奏することになっていたのですが、確実にもらえるとあてにしていた日本のある基金からの渡航費助成がなぜか降りないことになりました。あらま~困った困った、ドミニクに早く伝えねばということで連絡。「OK、テツ、でwhat’s next?(次の問題は何?)」とだけの返事。はじめは何のことかわかりませんでしたが、「了解、他にも問題ないの?」という意味だったのです。この時も本当に感服したものです。(実際に彼が渡航費も工面してくれました。)何年も国際フェスをやるということは、問題だらけの状態が当たり前なのでしょうね。
被害者意識にならないこと、正攻法でいくことという教えを思い出しつつ、問題解決にむけてやっていきます。