ジャン・徹デュオその1

ジャンさんとのシリーズが始まった。
今日もディープなニッポン話。出口王任三郎、南方熊楠。どうも合気道関連の書籍からこういう人たちの繋がりがあるようだ。それならばいずれの機会に海童道や野口整体を教えることにしよう。

最初の会場、横浜バロックの事務所兼練習場に到着。バッハの無伴奏チェロが終わったところだった。横浜インプロジャズ祭に今年から横浜バロックが参加している。これからの展開が楽しみだ。少々時間があったので十番館へコーヒーとケーキで一息。こういう古い喫茶店は気持ちが和む。よもやま話の後、会場へ戻り演奏開始。広いとは言えない場所。それを逆に利用しなければと。

プロデュースの梅本さんの意向でピアソラとインプロ。インプロと他の音楽を同じステージで演奏するのは意外に難しい。使う頭が全く違うからだろう。それもチャレンジと受け止める。それに、来春のジャンとの企画でピアソラをやることになっているので、良い機会だ、こういう大きな流れなのだ、とがんばる。

ピアソラの音楽のいいところはモダンな和声を各種の楽器が絡み合い演奏するところだ。ソロコントラバスでやるにはもっとも不向きなモノの一つといえる。高柳さんのギターとのデュオでもレパートリーは見つかりにくかった。言い訳はやめましょう。ともかく「タンゴ・エチュード第三番」「エスクアロ」「コントラバヘアンド」「忘却」「ブエノスアイレスの秋」を用意した。

コントラバスソロを30分、休みを置かずジャンさんを招き入れた。「忘却」のミロンガのリズムをゆったり弾き始めると、ジャンが微妙に揺れる。これにはしびれた。「ミロンガは遠い遠いパンパの地平線が見えるように弾くんだよ」とオスワルド・レケーナさんのレッスンを受けたのを思い出した。こういった「物語」が見えてくるような音に対するジャンさんはいつも秀逸だ。タンツテアター(ダンス演劇)というピナさんとの大きな共通意識なのだろう。ゆくゆくはコトバを使ったモノにも挑戦してみたい。好評の内に演奏は終わった。

今日はエアジンでもう一回演奏があるのでその打ち合わせもかねて「味雅」で軽く夕食。ソロは止めて、全編デュオにする。

第一部はピアソラ四曲とショーロ「タラの骨」。エアジンでよくデュオをやった高柳さんが、いつか一緒にやろうと言っていたが、かなわなかった曲だ。(何とか出来るようになったよ、ジョジョさん。)第二部は何も決めないでやろうということになる。まず、ジャンさんが18歳まで過ごしたモロッコのグナワミュージックからゲンブリの演奏を意識したリズムから入る。世界初のベースソロ音楽だ。

正座して聴き入るようにジャンもダンスを始めた。その後急にはじけてシアターピースのようになった。ジャンにベースを託すといろいろ面白い形を作っていったのは爆笑もの。聴衆からも暖かい笑い声が聞こえる。二人羽織のように弾いたり、足で弾いたり(いけませんね~)・・・最後には、エアジンでいつも働いている内田輝さん(ソプラノサックス)にも参加してもらって楽しく初日を終えることが出来た。

あと4回あります。チャージなしの東工大(昨年の演目を中心にやる予定)だけでなく、即興性の高い他の所にも是非お越し下さいませ。違うジャンさんが観られます。

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