二つの大きな穴

高田和子・太田省吾、楽しみにしていた仕事相手が相次いで急に姿を消した。何と言うことだ。ずっと延期していた高田さんとの関西デュオツアー、悠治さんも入った北海道トリオツアー、半年はスケジュールを空けると約束していた太田さんとの演劇。大量のアルコールがその大きな二つの穴から落ちていった。

太田さんの大学が委嘱してくれ、高田さんの「帰ってきた糸」のために曲を書いて演奏をしたことがあった。京都での打ち上げの席ではお二人ともいた。私もその場にいることがとても嬉しかった。

北海道にいたため、高田さんのお別れの会に出席できなかった。コントラバス10台とピアノのコンサートでは、最後に「糸」のために書いた曲の一部を演奏した。フェスティバルの華やかな会場で、しかも一番目の演奏。この曲はこのグループのレパートリーだったが、変則チューニングだし、じっくり演奏する必要があるため、今回は場にそぐわないということで演奏しないことになっていた。しかしメンバーも是非やりたいと言ってくれたのだ。(メンバーの中には3日前にお子さんが生まれた方もいた。)良い仲間だ。ありがとう。林栄一・瀬尾高志とのトリオでは、「人生よありがとう」を演奏した。二人とも初見の譜面だったが良い演奏だった。

お別れの会が始まる時間、旭川のモケラモケラで高田さんのCDをかけていた。昨年の私の北海道ソロツアーのブログを読んでくれて、「次は是非さそってよ。ギャラなんかいらないから。私はこういう場所で演奏したいのよ。」なんて言ってくれていた。お見舞いに行ったときの会話でも、来るべき「北海道ツアー」で盛り上がった。そして、旭川のモケラモケラがその中でも象徴になっていた。モケラの会場で「不在」のステージを見つめながらCDを聴き、嵐山に祈った。

また、ごろごろとエンジンを廻さねばならないのだが・・・・・

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