赤いチラシ二種

昨日はふたつのリハーサルに行き、二種の赤いチラシをもらってきた。
一つめは委嘱作品を提供した螺鈿隊(らでんたい)という箏四重奏団。

あっという間に書き上げたもの。昔からあるイメージがあった。それぞれ閉ざされた部屋にいる人たちの合唱。横の連絡は取れない。他に人がいるのかさえわからない。が、どこかへ向かって、一人とぎれがちに歌う。それがコーラスとなる。コーラスになっているかどうかは一人一人にはわからない、というイメージ。今、私の周辺では、肩を組んで歌うこともないし、カラオケもない。酒を飲んで歌う歌もない。好きな歌は外国が多く、亡くなっている人も多い。新作を楽しみにしているのは遠い地球の裏側ブラジル。でも歌える歌を作りたいというのが私の大きな願い。

技術のある若き四人組は難なく曲をこなしている。問題は、アドリブ部分。私は本来の作曲家ではない。私の書く曲は演奏のためのチャートであることが多い。「ここでアドリブ」と書いたほんの二小節のためにほかの部分が存在すると言っても良い。しかしそれはなかなか伝わりにくい。ほんの二週間前アラスカで体験した「書き込まれた曲の中のアドリブ」の処理の難しさ。作曲家にとってみれば、演奏されなくても作曲は完成していて、独立している。私の書くものは演奏されなければ成り立たない。

このあたりをよく考えて、「今・ここ・私・螺鈿隊」度の高いものを目指して書き加えようと思った。
7/21 代々木上原 ムジカーザ 6:30開場 7:00開演 前売り¥3000 当日¥3500 中学生以下¥1000
問い合わせ: 03-3368-0317 (小林)メール info@raddenai.com

夕方からは渡辺えり子さん稽古場。

岸田理生さんの命日、えり子さんと二人で理生作の「メディアマシーン」朗読パフォーマンスをする。メディアマシーン初演の時も、私が音楽を担当した。小田豊主演。ハイナー・ミュラーが世界中でブームだったころだ。彼の脚本は上演不能とか言われたが、それが世界各国の演出家を刺激してさまざまなハイナー・ミュラー劇が上演されていた。私が関わっていた劇団「TAO」は当時、白髭橋にあった住友ベークライトの一万坪の工場跡地を使ってさまざまな試みを続けていた。早稲田小劇場・天井桟敷・転形劇場出身の役者・演出家・スタッフが集まってできたグループだ。おりしもバブルの時代と重なる。公害が問題になりかけていたベークライト工場の社員共同風呂跡、社員食堂跡、で観客・出演者・音楽家が移動しながらの演出だった。ミューラーの代表作「ハムレットマシーン」にひっかけて岸田理生さんが「メディアマシーン」を書いたのだった。

渡辺えり子作、李麗仙主演で「水の街のメディア」の音楽を私がやっていたりしたので、いろいろな縁の重なった企画になった。理生さんについては思い出が多く、ここでは書ききれない。理生さんらしい文体が十分に堪能できる脚本。初演当時小学生だった私の娘さえ、台詞の端々を覚えていて、ビックリ。

6/28 三軒茶屋 シアタートラム 6:30開場 7:00開演 6:00より整理券 3000円 問い合わせ 045-663-3082 プロジェクト・ムー 公演後ロビーにて献杯&雑談をもって「水妖忌」とします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です