2006.04.03 Monday

ハワイイ報告 3/20 夜 
3/20夜
レンタカーを借り、超能力を使ってカイルアのビーチハウスに辿り着く。井野さんの運転は一流です。その晩は、キモの姉妹の家でフランソワ・ラバトの誕生パーティがある。キモのお姉様はCD↓を出しているハワイアンシンガー。アメリカの映画によくあるままのホームパーティ。巨大テントにはバンド(クレズマ系音楽)仮設バーカウンターには二人のバーテン。食べ物もジャンバラヤー、サラダなど取り放題。 

ラバトさん75歳。ハワイコントラバスfestivalを始めたジョージ・ウェリントンSR.さんはハワイで有名なコントラバス奏者・教育者でした。彼はラバトさんを崇拝していて、彼をハワイに呼ぼうと最大の努力をしたそうです。ラバトさんの行くところに全て現れ「ハワイに来て」と言い続けたそうです。そんな事情もあり、ラバトさんはこのfestivalでは特別な存在。美女のフラ、歌に満面の笑み。↓

フランソワ・ラバト、フランク・プロト両氏の名前を知ったのは25年くらい前。当時、コントラバスの新しい音楽を聴こうと思ったら、銀座山野楽器の輸入盤コーナーしかなかった。(溝入敬三さんに教わった。)そこで彼等が立ち上げたリーベンミュージック、レッドマークレコードなどの存在をしり、胸をどきどきさせながら高い高いLPレコードを買ったものでした。今や巨匠となり、世界中から生徒が押し寄せ、contrabass祭で引っ張りダコの人たちですが、当時は一生懸命普及・宣伝していたのかなと思うと、今度は私たちの番なのでしょうか?

ラバトさんはシリア生まれ、アズナブール、ブレルらシャンソン歌手の伴奏などで知られ初め、独特のテクニックを高めていきました。初めからすべてが認められていたわけではなく、苦節の時期もあったということ。テクニックとは、自分が言いたい音楽を表現するのに必要な技術であって、どんな楽譜でも初見で弾ける技術では無いことを身をもって示した人と言えるかも知れません。クラシック界やジャズ界でもう一流となっている人も彼のレッスンを受けにパリに通っているそうです。所謂クラシックの愛好者、もう少し自由な音楽の愛好者の心をグッとつかんだのでしょう。

好々爺然として何もこだわらないような風貌ですが、楽器や弓に対するこだわりは相当で、楽器製作者、弓製作者を育て続けています。弓は1グラム単位で全然違う、なんて言っています。フランスでの楽器・弓の伝統とはこういうおっかない演奏者との関係から出来てきているのでしょう。今回、彼の楽器を作っているクリスチャン・ラボリーさん、弓を作っているジル・デュオーさんもfestivalに参加しています。みんな彼と仕事が出来ることを喜び、誇りに思っているように見えました。

ちなみにクリスチャン・ラボリーさん制作のカーボンファイバーエンドピン↓は、とても興味深いものです。なんとこのfestivalの参加BASSのおよそ80%以上はこれを使っています。フレンチ弓を使って演奏中に楽器があまり動かない人には特に良いと思います。クレイトンはジャーマンですが、やはりうまく使っていました。なんと言っても、弦の振動がテールピースに伝わり、さらにテールワイヤーに伝わった音がエンドピンに伝わって床に逃げてしまわない。これが画期的なことです。わたしもそう言う構造を夢見ていました。その上、音が44°の角度で上を向いているので奏者には音が直接聞こえる。そのためラバトさん曰く「音量が二倍、二倍!」一応買ってきましたが、私がBARREにつけるかどうかは未定です。

もう1人参加していたのはニューヨークのデヴィド・ゲージからスポロケット・ロイヤーさん。↓彼は元奏者なので話が早い。楽器のことが何よりも好きと言う感じ。私のBARREや井野さんのPETERをさわれて本当に嬉しいと言ってくれました。 ベース漬けの日々が続きます。ワークショップ会場でクレーの絵のようなアロハシャツを着てゴキゲンの井野さん。

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