トリオロスファンダンゴスのゲスト・定点観測

ダンス・ダンス・ダンスの日々です。明日はトリオロスファンダンゴスのゲスト(Kazzmaさんもゲスト)。このトリオは、もっぱら古典タンゴを演奏し、ミロンガでみんなに踊らせることを信条としています。みんなに踊ってもらう演奏というのは片手間仕事ではなく、タンゴ演奏の誇り高き最高の形態なのです。プラス谷本さんの大阪人しゃべくりが炸裂して、みんなが笑顔になります。

もう30年以上前にエキストラでブエノスアイレスへ行きました。トラといってもオスワルド・プグリエーセとの共演です。(お堅いファン達には、御前演奏、と呼ばれていました。)このツアーのエピソードや後の影響は計り知れませんが、ここでは割愛。

そのプグリエーセ楽団は、夜に観光客用に演奏したのち、深夜から地元の人達が踊るために演奏するのです。(言ってみれば本番。)かつてバブルの頃、新宿のホテルにオスワルド・レケーナがダニエル・ビネリ達と毎晩演奏していました。高柳昌行さんの案で、拙宅にお呼びしてレッスンを受けることにしました。(通訳はヤヒロ・トモヒロさんという豪華)。パブロ・ネルーダを愛読する誇り高きピアニストいわく「演奏は、ダンサーの脚を観て勉強するんだ、老練なダンサーはいろいろな仕掛をして若い演奏家を鍛えるんだ。」と。

日本では外来音楽に対して、演奏のみが評価されてきました。(言葉の壁もあるのでしょう)

フラメンコでは、歌や踊りの伴奏としての演奏、タンゴもダンス・歌が主。(文楽はよりその傾向が強い)カエターノ・ヴェローゾが、日本人はあたなの歌が大好きですが、その意味を分かってない人が多いのです、と聞き、愕然としていたとのこと。フェラ・クティがオシャレなワールドミュージックになり、反戦フォーク歌手が歌謡界や保守陣営の大物になる日本。

文化全体の中でとらえねば大事なものが落ちてしまいます。

さて、トリオロスファンダンゴスは、結成当時から「難しいことは『プロ』の皆さまにお任せします。私たちはこれで行くだけです」と言っていました。その動機を強く貫いて来ました。今では日本だけでなくブエノスアイレスでも人気を博しているとのこと。

バイオリンの谷本仰さんは長年北九州小倉でバプティスト教会の牧師をしており、ミサの他にも、ホームレス支援や炊き出しなど日常としています。音楽療法士の資格もお持

カルチエ・ブレッソンのロシアの写真で好きな1枚、1日の労働を終え、みんなで集まってダンスをする写真です。「働いた後、好きな音楽で好きなダンスをする、これ以上のことってある?」とジャン・サスポータスがボソッと言っていたのも印象的でした。ジャンがブッパタールで作ったカフェ・アダでは毎週末、夜っぴてタンゴを踊るために人々が集まります。

奥様との出会いもこのタンゴサロンだったとのこと。かつては本当に普段着でしたが、このごろはちゃんと靴を用意して、衣装も着替える人が増えていました。ご時世ですかね〜。

この3年間同じ季節にエル・チョクロでTLFのゲストでお呼ばれしています。思えば激動の3年でした。その翌朝に1年検診の結果がでます。年に1回のタンゴ、年に1回の赤シャツ!運を呼び込め!