新月のショーロ

「待てる」男のショーロ
 
 
術後初めてのliveらしいliveです。
かみむら泰一さんリーダーで進めてきたショーロ・即興・オリジナルを演奏するデュオです。音質にこだわり、常に生音。ガット弦「BARRE」で演奏します。
 
譜面ものも実に久し振り。リハーサルでショーロの芳醇な馥郁たる香りを味わいました。痺れて言うことを聞かない指には、責せず、労って、愛情をそそぎます。この夏のような日にも手袋にカイロをいれています。
 
「リハビリ」を兼ねた選曲もあり、実に朗らかにリハが進みました。
 
泰一さんとリハの合間に(いや、逆に、話の間にリハ?)、音楽の話、ジャズの話、共通の友人の話、ワークショップの話などとりとめも無く話をするのが好きです。友人の話も基本的に愛情に基づいているのでどんなにキツい言葉も本気です。すべての言葉がブーメランのように自分に返ってきます。
 
 
そんな中でとても素晴らしい言葉を聞きました。彼は、「待てる」演奏家なのです。私もなかなか「待てない」方で、待てずに演奏してしまうタイプでした。最近になってやっと少しは待てるようになった自覚があります。
 
ジャズの、そしてサックスの演奏家は、待てないのが普通。そんな中、「自分の音が必要で無かったら吹かなくてもいい。良い音楽が生まれていくのを体験すること自体がより大事で好きなのです。」と泰一さんは言います。
 
本当に立派です。単純な自己表現ではないのです。なんとか自分を出そう、目立ちたいと、自己表現に汲々としている現在そんな演奏家の音は今、たいへん貴重です。
 
 
相変わらず私の指は痺れていて思ったように弾くことは出来ません。譜面ものを弾くときに、勢いに任せて弾いて即興的に辻褄を合わせていくスリルは味わえません。一曲一曲、一音一音をキチンと意識して音を出すしかありません。そのため必要な集中力は確保せねばなりません。
 
「こうやりたくても」「ああやりたくても」出来ないときに、なんとかポジティブに演奏を続けて、共演者と聴衆と一緒に、よりよい音楽を作っていく、それこそ「即興」です。
 
そんな「待てる」男達のショーロは初秋にぴったりかもしれません。ちなみにほとんど新月。
 
場所は四谷三丁目の隠れ家・茶会記です。
(靴を脱いで入ります)
 
 
9.22.fri.20:00-四谷、喫茶茶会記
http://gekkasha.modalbeats.com
 
かみむら泰一(Tenor&sop sax) 齋藤徹(contrabass)
前売 3000当日3500+order
新宿区大京町2-4 1F 四谷三丁目駅