早稲田での前回の講義では、このチャールズ・ミンガスの曲をかけ、マルティン・ニーメラー(ヒットラーに抵抗した神父)のことで終わりました。安保法制で日本全体が揺れていて、シールズのメンバーが教壇に集まってきて賛同を表したのを思い出します。
・・・・・・・・・
Don’t Let It Happen Here
ある日、ヤツらがやって来て共産主義者を連れて行った。
私は何も言わなかった。だって、私は共産主義者ではなかったから。
ある日、ヤツらがやって来てカトリック信者を連れて行った。
私は何も言わなかった。だって、私はプロテスタントだったから。
ある日、ヤツらがやって来てユダヤ教徒を連れて行った。
私は何も言わなかった。だって、私には信仰は残っていなかったから。
ある日、ヤツらがやって来て私を連れて行った。
私は何も言えなかった。だって、私はすべての人が自由への権利を持っていると言わなかったという罪をもっていたから。
神よ、そういうことをここで起こさせないでください。
神よ、そういうことをここで起こさせないでください。
神よ、そういうことをここで起こさせないでください。
神よ、そういうことをここで起こさせないでください。
・・・・・・・・・・・・
そしてこのミンガスが引用したニーメラーの詩の単語は「共産主義者」「カトリック信者」「組合員」「ユダヤ人」となっていますが、「障がい者」「不治の病人」「エホバの証人」などと替えられて使われたとのこと。
そして、相模原での事件が実際起きました。確実にだんだんと身に迫ってきている。
そんなことから話し始めました。
映画「Listen」のパンフに書いたこと、ソロリサイタルのプログラムに書いたことを読み、今の私が何処にいて、何をやっているのかを200名近い学生に分かってもらおうとしました。
そして、その流れに沿って5月のブッパタールでの自閉症プロジェクト「私の城」の話になり、東田直樹さんの「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」の話になりました。「聞こえない人」との共演の話、音ではノイズの話、などなど。面白い逸話を話す余裕はありませんでた。
とても集中して聴いてくれている学生に対して、こういう世の中へ出ていかざるを得ないことを思い、少しく考え込みました。
毎年楽しみに聴講してくれる人、モグリの人などが話しに来てくれ多少持ち直したのですが、一瞬ですね。
さて、自分が出来る事を確実にひとつひとつやっていくしかないわけで・・・