独逸とバーバー富士

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旅の事後処理の書類制作に追われています。身もココロも疲れていて時差は取れずなかなかキビシイ作業ですが、さまざまな出来事を懐かしく思い出すのは楽しい時間でもあります。

思えば昨年10月から3ヶ月間ドイツに居たわけです。私が赴くところというのは、その土地が好きで行くことはなく、もっぱら人に会いに行くわけです。10年前には、ほとんど縁もゆかりも無かったドイツに行くようになったのはただジャン・サスポータスさんとの縁でしょう。

それまではフランス関連ばかりで、ドイツは遠い国でした。五代目古今亭志ん生師匠「寝床」で番頭さんが旦那の義太夫を聴きたくなくて「ドイツへ逃げた」という奇想天外なギャグを歓んでいたくらい縁遠い所でした。

クリストフ・ポッペンさん(指揮・バイオリン)のヒリアードアンサンブルとの録音で聴いて深く身に染みた歌入りシャコンヌ。亡き母のために喜多直毅さん・さとうじゅんこさん(葬儀でも演奏をして頂きました。)にお願いしたトリオ版は2014年暮れポレポレ坐で初演、ジャンさんを加えたバージョン(キッドアイラックホール)も忘れられません。その後、直毅さんはソロでの実演は数を重ね、このツアー中のORTセッションでは2人のダンサー(ケンジタカギ・皆藤千香子)とのトリオバージョンもありました。

思えば、ポッペンさんの参照元がデュッセルドルフの大学教授の説でした。デュッセルには出かけてライン川沿いを歩いたりビアホールに行ったりしています。急に身近に感じます。

ライン川に身を投げたロベルト・シューマンの音楽ならびに音楽批評は時々に思い出すことがあります。6/26に中ノ沢美術館で再々演する「土神と狐」(宮沢賢治作・小林裕児・内田慈・齋藤徹・広田淳一参加)では前回からローレライ(歌)を採用しています。ハイネはデュッセルの人。「くすしき魔歌(まがうた)うたうローレライ」。この短編の中でも賢治さんは「黄金の秋」と言う言葉使っていてドイツを彷彿させます。賢治の森は黒い森。料理店もゴーシュのオーケストラもドイツに有りそう。

なんだかんだドイツ付いているのは、星の巡りでしょうか。今、ホームに暮らす父親もよくデュッセルドルフに出張で行っていました。

しかし、ビールの注文の仕方と会計のお願いくらいしかドイツ語を使えないのは情けないす。全く。

それに引き替え、直毅さんは日に日にドイツ語を習得し、簡単な会話くらい出来るようになっていました。ずいぶん助けられました。ありがと〜。

2ヶ月も一緒にいるとちょっとしたことで何か良からぬことが起こるやもと想定しましたが、全くありませんでした。彼の人徳によるものでしょう。

先日のラジオ収録でちょっと流したパリ、シャトレにある聖メリ教会でのデュオのバイオリンは本ツアーの白眉の1つでした。正直、着いていくのが精一杯という時間が何回か有りました。

「何か良いものを受け取ったときは、それを誰かにパスしないと行けない」なんて話もしていました。パスも「時」と「人」と「場所」を選びます。違う時・人・場所でパスをもらっても良い迷惑です。ツアー中何回か深く話したことがありました。今度は彼がパスを回す番でしょうか。

そんな直毅さんとのデュオが6月6日に「世界の」バーバー富士であります。貴重な機会となるでしょう。
http://members.jcom.home.ne.jp/barberfuji/
開場18:30、開演19:30 視聴料 4000円 予約・問い合わせ:barberfuji@jcom.home.ne.jp
終演後参加費無料の打ち上げがあります。

ドローイングは聴衆の一人が聖メリ教会のデュオを聴きながら描いたとのこと。CDと交換しました。

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