高校生のころ、読書するのに良い喫茶店を探す名人の友人がいて、教えてもらいさんざん活用しました。当時隆盛していたジャズ喫茶ではなく、クラシック系の名曲喫茶のほうが読書には適しています。その中の一軒が歌舞伎町の入り口近くのビルの2階にあった名曲喫茶「らんぶる」でした。近くの「スカラ座」へ行くか「らんぶる」へ行くか気分でより分けていた記憶があります。しかし当時は時間があったな〜!
「らんぶる」ではカザルスのバッハ無伴奏チェロが聖典のように扱われていたような記憶があります。カザルスの国連やホワイトハウスでの「鳥の歌」、彼が古本屋で無伴奏の楽譜を発見した、などなどの逸話と共に青年時代の私の中でも聖典に祭り上げ、ボックスセットを購入して、家でも鑑賞していました。
コントラバスを弾き始めてから、ビルスマ、アーノンクール、ロストロポーヴィチ、フルニエ、ヨーヨーマ、シュタルケル、マイスキー、鈴木秀美、トルトゥリエ、ナヴァラ、パンドルフォ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、寺神戸亮(ウ゛ィオロンチェロ・タ゛・スハ゜ッラ)、コントラバスのバッハ(カー、メイヤー、ラバト、ダシュン)と聴き進め、気がついてみると、やっぱり、ガット弦の演奏につよく惹かれました。
エアジン、ライブハウスでのバッハ企画、まであと1ヶ月。ハハハ。
オールプレインガットのコントラバスによるバッハ無伴奏チェロ組曲、果たしてどうなるでしょう?六番まで出来るでしょうか?エディション・ペーターズ版コントラバス用編曲を元に何カ所も替えています。プレインガット弦の暖かい春のようなピッチカートも多用するつもり。
初心に帰って、弾いてみては、出来ないところを繰り返します。運指を代え、弓のアップダウンを代え、葡萄酒を飲み、移弦法を代えてみます。「あ〜どうしても弾けないぞな。」と言うところも多々あります。昔だったら、そこで諦めたり、ごまかしたりしたでしょう。しかし、還暦も過ぎると「ピンチ」=「チャンス」という大原則が分かっています。出来ないところにこそ、工夫や発見が隠れています。老人力満開です。
他にやるべき事は山積していますが、中高生の期末試験前のように、やるべきことを脇に置いて、1日おきに10㎞ジョギングし、バッハと遊ぶ日々です。やっぱり、子供に戻っている!
3月25日 横濱エアジン
charge ¥2500+drink(¥500~)
U23 ¥1000割引
中学生以下ペットも無料。
ご予約は phone 045-641-9191
メール umemotomusica@gmail.comへ。19:30開演
〒231-0013 神奈川県横浜市中区住吉町5−60
馬車道駅・関内駅より徒歩
写真:Nah Seung-yull