神の裁き・雪崩

20131110_819035 アルトーCD

 

沖縄ソロの準備をしていていろいろ読み直していました。

まさに今日のニッポン・世界を予見しています。それぞれの書かれた年に啞然とします。今に始まったことではなくずっとそうだった。(前者は精神異常と呼ばれた演劇人、後者は銀行に勤め上げた詩人。)

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つまり労働者ではなく兵士が不足しているので・・・(経済的徴兵・兵士の自殺、PTSD)
世界戦争は、力の圧倒的な作用によって・・・(膨張軍事力・核兵器拡散・劣化ウラン)
人間の無気力に強大な領域を与えなくてはならない・・・(反知性的傾向)
労働者は職を見つけねばならず・・・(だってしょうがない、状態)
あらゆるまやかしのでっちあげ製品、あらゆる卑劣な人工的代用物が幅をきかす・・・(モンサント)
それにしても私はアメリカ人たちがこんなにも好戦的な民だとは知らなかった・・・(そのまま)
いつも前方に戦車、飛行機、戦艦の途方もない軍団をもちそれを盾にしていた。・・・しかし機械を操縦する人間たちは、はるか後方にしか見えなかった・・・(ドローン、傭兵、ゲーム感覚の戦争)

(アントナン・アルトー 神の裁きと訣別するため 1947年 より恣意的抜粋、カッコ内は筆者注)

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(平和)

それも過ぎてみれば束の間で
まだととのえた焚木もきれぬまに
人はざわめき出し
その時が来た、という
季節にはさからえないのだ、と。

雪はとうに降りやんでしまった。

降り積もった雪の下には
もうちいさく 野心や、いつわりや
欲望の芽がかくされていて
”すべてがそうなってきたのだから
仕方がない”というひとつの言葉が
遠い嶺のあたりでころげ出すと
もう他の雪をさそって
しかたがない、しかたがない
しかたがない
と、落ちてくる。
(石垣りん 雪崩のとき 1951年 より恣意的抜粋)

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