トリオ・ロス・ファンダンゴスと

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「歌と踊り」が重要なテーマになって久くなりました。歌を作ったり、ダンスと演奏するなんて遠い世界でしたが、いまや活動の中心近くにあります。歌作りの直接のきっかけは乾千恵さんだったり、フクシマだったりでした。おどりはというと、もう少し間接的なことがいくつも重なったのかと想像します。

チャーリー・パーカーがジャズから、アストル・ピアソラがタンゴから踊りを奪った、という言い方があります。確かに、めくるめく変わるコード進行とテンションコード、変拍子、テンポの変化について行くには踊ってはいられません。集中して聴く必要があります。

時は流れ、パーカーの早い4ビートは8ビート16ビートに変わり、踊りに向かい、ピアソラはタンゴの主流と見なされ、タンゴダンサーにとって大事なレパートリーになりました。

所謂4ビートジャズで踊る人は減りましたが、フリーフォームやインプロバイズド音楽とコンテンポラリーや舞踏の繋がりは深まってきました。

ロックでのうたはドンドン拡声され、怒鳴り、叫び、意味から離れていき、メロディーをはなれ語りになっていきます。逆に、「癒やし」系、アコースティック系が流行ったりも。インプロバイズド音楽では、あたかも「信じるために疑う」がごとく、すべて粉々になってしまったりしていますが、どこかで民族音楽や伝統音楽への憧憬は保ったままであることが多いように見受けます。

一方、うた(ことば・詩)を大事にしてきたブラジル音楽は、うたからも踊りからも離れずに、「健康さ」を保ち、多くの歌作りの才能を生み続け豊かな音楽世界を満喫しています。振り返って日本の歌謡曲・Jポップは歌詞の貧弱さによって歌全体が花開かない状況が続いているようです。

ピアソラがキンテートの最期期に和声から少し離れるかとも思われるところがありましたが、すんでの所で踏みとどまりました。3−3−2のリズムやジュンバのリズムが役に立っているのかと想像します。

2本足歩行で3拍子を取っていくと、1拍目が右・左と変わっていきます。そこからスイングが生まれ、ワルツが生まれるように体感出来ます。

ワルツにしても、ビブラートにしてもなぜ「揺れる」のが「好き」なのか?

人間の身体の70%は水分だと言います。水が揺れることには勢いがつきます。勢いが激しいと陶酔や幻惑が起こったりします。そこに惹かれる以前に、揺れることは「混ざること・反応を容易にする」ことであり、変化しやすくなることです。違う可能性を求めることが命の摂理(純粋は弱い)であることとどこかで繋がるのかも知れません。

白川静さんの最重要な説、呪術用の器に水を張り、水の表面が揺れることで神が答える。「おとずれ=音ずれ=訪れ」

人は踊ることが好きなのです。必要なのです。忘れるため?いや、思い出すためです。知らない自分を、しらない墓所、しらない時を思い出すためです。

さて前口上が長くなりました。

「踊らせる」音楽を信条とするトリオ・ロス・ファンダンゴスとの共演が23日雑司ヶ谷、エル・チョクロであります。10年以上、明確な信念で突き進み、ブエノスアイレスを含む多くの都市で「踊らせるトリオ」として実績を上げ、称讃されてきています。

太陽のような3人(谷本仰・いわつなおこ・秋元多恵子)と太陽のような3種類の楽器(バイオリン・アコーディオン・ピアノ)に対して月の性格の私と月の役割のコントラバスでガップリと演奏します。「明」です。

◉6/23(火)【エルチョクロ】ライブ
トリオ・ロス・ファンダンゴス+齋藤徹(コントラバス)
東京都豊島区南池袋3-2-8 03-6912-5539
18:30open/19:30start 3700円

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