パプーシャとパクール

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パプーシャとパクール

つづけて2本映画を観ました。

「パプーシャの黒い瞳」岩波ホール「グレート・ジャーニー縄文号とパクール号の航海」ポレポレ東中野

「パプーシャの黒い瞳」はモノクロの美しい映像美、ロマと言葉と詩、長い時間をかけて丁寧に丁寧に創っているのがグサグサと胸をつきます。このごろの私のもの作りが雑だな~とつくづく反省しました。

この監督(夫婦)の前作は「ニキフォル」。これも大変スバラシイ映画でした。アール・ブリュットの画家として有名なニキフォル。そしてこの老男性画家役を「女優」がやっていたこともビックリ。そして、私の演劇の最大の尊敬者タデウシュ・カントール(美術家でもあります)がニキフォルを「師」と仰いでいたということもとても印象的でした。グルジアの画家ピロスマニも連想します。

「グレート・ジャーニー縄文号とパクール号の航海」は探検家関野吉晴さんとインドネシア人・日本人クルーとの航海のドキュメント。

私のライフワークの1つ「オンバク・ヒタム」(もう一つの黒潮)のインドネシア~石垣島コースをそのまま旅した記録です。工具から手作り、舟も手作り、エンジン無し。

私もインドネシアの地図にない島ドンドン島に少し滞在したことがあり、その時の、ザイ、ヤンさんのことも元海賊のことも思い出します。また、最近ザイ・クーニンが舟のオブジェを完成させ、各地でインスタレーションをしています。(パリでの作品をたまたま友人が観たそうです。)

私が夢想していたオンバク・ヒタムはとても厳しい道であったことがわかります。柳田国男の海の道も厳しいものだったのです。そしてどんなに厳しくても人は渡っていったのです。

こういう探検家はもう現れない(不可能)という関野さんのトークもあり、伝説を目の前にしているようでした。話の内容はごくまっとうなことばかり。ごくまっとうなことを、丁寧に丁寧にやっていくしかない、ということを今さらながりに感じます。

やっぱり映画は良いですね。サヨナラ・サヨナラ・サヨナラ。

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