あ~この感じ、覚えがある。そうそうバールさんです。
ロジャーさんの自在な感じはバールさんの自在と近いものがあります。
あまり即興ダンスとの経験は無いとおっしゃるにしてはユーモアたっぷりの大変こなれたパフォーマンスでした。ロジャーのパートナーの方も「あんなにユーモラスなロジャーは見たことが無い」と言うこと。そうです。時と場合と人によってはなんでもやってしまうのです。その感覚がバールさんによく似ているのでした。(神戸でバールさんは衣服を脱ぎ演奏したという伝説があります。)
フリーインプロを標榜するのですから自由でなければなりません。いつもいつも同じようなテクニックと演奏を繰り返していては自由から遠ざかります。その時・その場・その人達(共演者・スタッフ・聴衆)でなければできないことを淡々と飄々とやってのけ、自分自身をビックリさせるのが達人です。いつもの「ロジャー」を求めても仕方ないのです。
竜太郎さんと一緒に本当に楽しそうに遊んでいました。もちろん実に厳しい音も満載です。竜太郎さんのドラムセットから少し借りてロジャーさんならではのセットを作っていたのも見事でした。
ロジャーさんとバールさんとはかなり親しいようでした。私が楽器をバールさんと交換した話にことのほか興味を持ってくれました。竜太郎さんが「踊るのが嬉しくてよく泣いてしまうのですよ」という話をするとバールさんとの共演の時、ベースソロの途中で自然に「ダニーボーイ」のフレーズが出てきた時には電気が走るようなショックで「演奏していて本当に幸せだ」と感じたと話してくれました。良い感じやな~。
前回の私の投稿(クラシックスでの感想)の話をすると、即座に納得してくれました。私の英語のボキャブラリーのなさで「弱さ」を「weak」と訳すと、それは「weak」という単語とは違う話だね、と言ってくれました。大きな人です。
また、クラシックスでの演奏は大変気に入ってくれていて、あれはまるまるCDにしようよ、と言ってくれました。「挟み撃ち!」シリーズで10~15分程度のテイクを集めてオムニバスを作ろうという原案は早くも崩れそうです。いいのです。不易流行。たしかに、あの時の直毅さんは私が聴いた中でもベストかもしれません。
この二回の演奏はとても楽しかった、またどんどんやろうという話も。決して嘘を言わないであろうロジャーさんからそういう言葉を聞くのは本当に嬉しい。