私の好きなブラジル音楽紹介

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Mesa(ブラジル音楽の食卓へ)のLIVEが近づいて来ました。私としては30年以上聴き続けて来ていますので、日常のものになっていますが、ブラジル音楽へ縁の無かった人にとっては何のことか、という感じかも知れません。ブラジル音楽はまさに泥沼のごとく広く深いので、30年聴いていてもまだ全体の1割にも達していないでしょう。

でも、「これが私の好きなブラジル音楽、あるいは、私はブラジル音楽のここに惹かれました」として私なりの音源紹介を少し試みようと思います。何かの参考になればと。
Mesa として取り上げる楽曲はトム・ジョビン、シコ・ブアルキ、エドゥ・ロボが圧倒的に多いです。

まず、何と言ってもアントニオ・カルロス・ジョビンさん。通称トム・ジョビン あるいはトム。イパネマの娘、ウエイブなどで知られていますが、私のトムさんはちょっと違うところで微笑んでいます。

全体を見渡せる音源としては「Inedit」と「Antonio Brasileiro」ということになるのでしょう。代表的な楽曲がほとんど集まっています。歌との共演はもちろんたくさんありますが一つあげるとするとエリス・レジーナとの「Elis and Tom」ですね。最近のリマスター盤がビックリするほど音質改善されています。

ご本人の演奏・歌の力を示すものとしてはソロの弾き語り「Em Minas Ao Vivo Piano e Voz」とヴィニシウス・ジ・モラエスに捧げた「Tom Canta Vinicius-Ao Vivo」と言うことでしょう。

彼の作る楽曲は、モダンジャズとの関係をよく言われますが、モダンジャズではなく、西洋近代和声と考える方が近いと思います。モダンジャズと同じく、西洋近代和声より発展したので、ジャズを真似したなどと言われてしまいます。たとえばごく初期の代表作「Imagina」などはラベルのラ・バルスを思い起こさせます。

ラ・ド・ミは、ジャズだと即Amと解釈されますが、ジョビンではC6である方が多いのです。「フェリシダージ」やヴィラ・ロボスの「カイピーラの汽車」など。

近代和声と共に、ジョビンは、ミルトンナシメントに象徴されるブラジルの自然との関係を忘れてはなりません。リオにはジョビン植物園があります。

アルバムで言えば「Matita Pere」「Urubu」です。ブラジルの大自然がもたらすシャーマニックな音楽もトムの一方での特色です。この側面はカエターノ・ヴェローゾもしっかり持っているものです。私の愛聴はジョビンが亡くなった後にシンフォニーオーケストラで特集した「Jobim Sinfonico」でのマチータ・ペレです。ここではミルトン・ナシメントが見事に歌っていますし、ピアニスト、ベンジャミン・タウブキンの名演もあります。

ブラジルの大自然をバックボーンにそれを抽出しているのですから、個人を越えて、強く素晴らしいのです。

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