double the double bass in Japan 2014 第13回
永福町ソノリウムホールでの森田志保ねじ8として開催されました。今年からの新しい共演者です。以前より私の演奏は聴いていてくれているとのこと。前回のセルバンテス文化センターの時に、直観を得ていて、なんのためらいも無く声をかけました。企画者としては、大いなる楽しみでもあり、賭けでもあります。こういう賭けをしなければ、企画は(人生は)つまらない。
第2部にデエゴ・ゴメスを特別ゲストにガルシア・ロルカのスペイン民謡から3曲(四匹のロバ、チニータスのカフェ、セビージャの子守唄)を私とトリオで演奏、その前後をセバスチャンとのトリオで即興でした。ロルカとアルヘンティニータのCDはよく聴いていたので、とても楽しく演奏できました。志保さんはアルヘンティニータばりのカスタネットを披露。初めてのことだと聞きました。フラメンコの人達のリズムの良さはさすがに小気味良いですね。
私はいろいろなジャンルのダンサーとの共演が数多くありますが、志保さん、本当の意味で「踊る」ことのできる稀な人です。踊る能力がスバラシイばかりでなく、踊らないと生きていけないのだな、と感じるほどの純粋さ、覚悟が座っていて、かつ切羽詰まった動機が見え隠れします。どこにも嘘がありません。ツアー後半、余りに毎日違う企画なので、喜んでいても、さすがにちょっとお疲れ気味だったセバスチャンが一気に元気になりました。(演奏家はそんなものです。)
志保さんは、私のちょっとした問いかけに確実に反応してくれるので私も嬉しくなり、どんどんと問いかけていきました。弓を渡したり、楽器を弾かせたり、寝てしまったり・・・。横たえた楽器を自ら弾いたダンサーは黒沢美香さんの次が森田志保さんでした。スゴイお二人です。
そして嬉しいことに、セバスチャンもどんどん乗って来ています。私がゴロゴロと舞台を転がると、そこまではしないだろうと思っていたのを気持ちよく裏切って、私の上を私以上の速度でゴロゴロと転がっているではありませんか・・・アハハハハハ・・・
私とセバスチャンが寝てしまい、動かなくなった時に、感動的な瞬間が訪れました。志保さんが、無伴奏で、靴も履かずにフラメンコプーロを踊り出したのです。フラメンコから越境する企画「ねじ」の中で、すべてがさらけ出された後に、フラメンコそのものが顕れたのです。感動的な時間でした。私はこの人を信じます。
高揚したままの打ち上げでちょいと呑みすぎました。でもこれでいいのだ。