2日目終了
昼過ぎにじゅんこさんとリハーサル。本日の第一部用の選曲と試し。セバスチャンの譜面能力・ジャズ的アドリブ能力(コードネームによるアドリブ)のお蔭さまであっと言う間に終了。
1:河の始まり(詩:テオ・アンゲロプロスあるいはトニオ・グエッラ 曲;徹)
2:よみがえりの花が咲く(コトバ:乾千恵 曲:徹)
3;ぐるりおざ(オラショより)
4;最上川舟唄(新民謡)徹・じゅんこデュオ
5;とうきょう(高橋裕)セバスチャン・じゅんこデュオ
6;ひさかたの(紀友則ー古今集より・高橋裕)
そのまま京橋へ移動、ギャラリー椿にはいるや圧倒的な絵画のチカラがみなぎっていました。
なにしろ大作「よみがえりの木」以外は、新宿での個展以降の3〜4ヶ月でこれだけの数の新作を描くのですから、裕児さん乗っています。最近はすこし身体が不調だったといいますのでそれまでに描いたのでしょう。ず〜〜っと乗っているので、これが常態なのでしょう。畏るべき絵画力、想像力、あるいは、表出せずにはいられない衝動とそれができる能力。まさに絵画・美術的ホモ・サピエンス。
2つの特徴的な新しい色、赤い翼、遠くからの光などなど長年の裕児ファンも知らないものが満載です。期間内(〜25日)に訪れるべきでしょう。
まず、裕児さんが聴衆に話しかけます。曰く、生まれて初めてコンセプトに則った個展であること。そしてそのコンセプトが乾千恵コトバ・齋藤徹作曲のオペリータ「うたをさがして」であったこと。「よみがえりの花が咲く」に打たれたこと、舞台装置としての「石」をつくった時のことなどが大きな動機となっていることなど説明。ひとつの動機からこれほどの展開があり、成果を生むことに感動しました。千恵さんの撒いた種がどんどんと拡がって行き、花を咲かすことが目に見えるようでした。何かを提出すること、それを受け取ること、そして成長させることの素晴らしさ、そしてその元にある人と人との信頼・関係、出会っていることの奇跡などを感じ目がクラクラしそうです。
予定通り演奏が始まりました。当然のように、絵に触発され、聴衆に触発され、リハーサルと違う展開になっていき、自然に、長くなっていきました。じゅんこさんのうた、2台のベースがのびやかに絵の中に入ったり、絵のひと・ものを動かしたりしている感じです。わたしは乾千恵さんの書「音」を、滝野川のおばば(中井さん)が藍染めをしたTシャツを着て臨みました。
休憩時間に大作の上にビニールと紙を貼り、第2部はLIVEペインティング。パウル・ツエランの詩「コロナ」をまず、セバスチャンが朗読。お〜まさにドイツ語。いっぺんに雰囲気が変わります。その後、じゅんこさんが和訳を朗読。その朗読が即興的に変容していくのに合わせるようにインプロとLIVEペインティングが始まりました。
最初に描いたものが赤い翼でした。翼もオペリータ「うたをさがして」の重要なファクターです。石の翼・・・。裕児さんに翼のドローイングを描いて頂いたこともありました。私的にはアンゲロプロス遺作「エレニの帰郷」の重要なファクター第3の翼にもリンクしていきます。
セバスチャンもじゅんこさんも裕児さんの筆先から片時も目を離さずにいます。ミラーニューロンを考えてもこれって大事なことです。絵の中に登場した2人がなにかコトバを言いたそう、うたを歌いたいそうに見えました。すばらしい一時でした。熊坂路得子・田嶋真佐雄・笠松環・内田慈・近藤正典・芦刈純・水眠亭山崎さんなども聴衆に。和やかな談笑で暖かく2日目が終わりました。今日も感謝。
本日は横濱エアジン、喜多直毅・MIZUKIさんとのセッションです。もう35年のつき合いのエアジンですので、またたのしみです。7:30より。MIZUKIさんはハンブルクから、マスター梅本さんはケルンに住んでいました。ジャーマン・コネクションの日ですね。
読ませていただきました、小林裕児のHPに一部転載させていただきます。