グラムではなくグラムスでした。

セバスチャン・グラムス(ゲーテインスティテュートの示唆で「ス」をつけることになりました。)さん招聘事務が佳境になってきました。セバスチャンは小言を言うヒマ無く仕事をしています。現在はペーター・コヴァルトさんのソロを採譜して出版することにかかり切りだそうです。

ペーター・コヴァルトさんと言えば、アカデミズムの対極にいるような人でした。その彼の即興ソロを採譜した楽譜がアカデミズムの頂点のような出版社エディション・ペーターズから出るのです。ロンドン・ハンブルク・ニューヨークを拠点にクラシック音楽の出版の代表です。うぐいす色の表紙の楽譜はみなさん見たことがあるでしょう。「あなたはクラシックそれともジャズ?」なんていつまでも話しているようじゃ、あきまへんで。

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セバスチャン・グラムス初来日を記念してドイツツアーからCDを作ることにしました。もちろん初来日を祝してですが、これを販売したお金をツアーの資金にしたいという理由もあります。(この文を読むようなひとにはすぐ感づかれてしまうでしょうね。)ハイ、その通りです。お察しの上、是非お買い求めください。内容は保証します。

昨年のドイツツアーの経緯は、まずセバスチャンとバール・フィリップスがデュオツアーをやっていて最終日にミュンヘンで私が合流(わたしはルーマニアのシビウのフェスティバルから当日飛んで来ました。)トリオで演奏した次の日、バールはフランスへ帰り、私とセバスチャンのデュオになったのです。セバスチャンのベースシリーズはDouble the doublebassと名づけられ、第1回がステファノ・スコダニビオ、第2回がバール・フィリップス、第3回が私、第4回がマーク・ドレッサー、そして今回の日本ツアーが第5回になるのです。

収録曲は、ミュンヘン、ダルムシュタット、フライブルクでのライブ、ハイデルベルクでのスタジオ録音になります。ミュンヘン編ではバール・フィリップスが入ったもの、フライブルク編からはハラルド・キミング(バイオリン)が入ったものが選ばれ、のこりはセバスチャンと私のデュオです。キミングさんはすばらしいインプロバイザーであり、ダンサー顔負けのようにも動き、哲学や心理学と即興演奏のシンポジウムを開いたりしています。直毅さんに会わせたいですね。

いままで多くのインプロのベースデュオがありましたが、私たちに特徴的なのは演奏する歓びに満ちていることに気がつきました。先達がやって来てくれたインプロベースデュオの歴史に感謝しながら、演奏することの歓びを見出そうとしていることです。セバスチャンがコバルトさんの採譜をしていることとも、スコダニビオさんが自分のやった即興から作曲へ繋げていったということとも、繋がっています。即興もそういう時代にはいっているのですね。

ご存知のように私はガット弦愛好家です。セバスチャンはスピロコアという世界中のジャズ系ベーシストの9割以上の使用率の弦です。音色の違いも聴き所でしょう。そうそう、先ほど私が使っている弦(イタリアのTORO)の製造過程のYouTubeを教わりました。(輸入代理店のhttp://www.coastaltrading.biz さんからの情報です。)

ヒジョーに、興味深いです。ともかく冷たい水を使う過酷な労働だそうです。ベースアンサンブル弦311のメンバー田嶋真佐雄・瀬尾高志・田辺和弘さん達は、ガット弦を使い続けています。真佐雄などは4弦までプレーンガット、私と和弘は3弦まで、高志さんは2弦までプレーンですが全員ガットです。次に4弦までプレーンにするのは誰でしょう?あたしかな?
もう、戻れない身体になってしまっています。麻薬・魔薬です。
2013-06-17-1274 Saitoh:Gramss@ Jazzinstitute Darmstadt (Photo-Schindelbeck) images-2 140402jean&tetsu_kid_s01 kowald

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