デュオwith姜泰煥

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姜泰煥さんとのデュオ終了しました。

 ともかく気にしていたアンプ問題は所期の目的を果たせたようです。(LIVEに毎日のように通っている御仁の言説ですので素直に喜びました。)

 なにしろ姜泰煥さんの最大の特徴は循環呼吸と倍音です。一方、私のコントラバスの特徴は雑音と倍音です。音色を大事にすることは当たり前ですので、問題は倍音です。折角、指向が共通しているのにサックスとコントラバスの倍音の出方が随分違います。コントラバスのハーモニクスでの高次倍音は(特に人工ハーモニクスでは)音量が小さいのです。サックスのそれは実音と同じくらいの音量があります。

 そこでやっぱりアンプだったのです。アンプと言ってもマイクを使いますので、所謂ベースアンプというよりは、PAです。世の中を見渡すと、コントラバスで倍音にこだわっている筆頭はマーク・ドレッサーさんでしょう。彼は倍音を拾うために指板の中やヘッド部にピックアップを仕込んでいます。私は、小さい倍音は小さくて良いと思っていますので、そこまでやらず、楽器から出てくる音全体を拾いたいのです。

 オーディオの世界でもPAの世界でもコントラバスの音をちゃんと出すことが大変ムズカシイと言います。オーディオ評論家の江川さんは自宅にコントラバスを置き、差を調べていたそうですし、故長岡鉄男さんもコントラバス音再生に特別興味を持っていました。私の初CD・LPを高く評価してくれていました。9年前に昨日と同じキャンディに一緒に行った故川崎克巳さんの録音でした。そして昨日使ったスピーカーを作ってくれた小川洋さんの紹介で「方舟」に招待され、是非ここで生音を出してもらいたい、とおっしゃってくれましたが亡くなってしまいました。長く生きているといろいろなことが曼荼羅のようになってきます。

 姜さんのアイディアでデュオ→ソロ→ソロ→デュオそれぞれおよそ10分というセットを2回やりました。

以前に増して耳を開いている(ソロで独奏・独走するのではなく)姜さん、微妙な音を操る姜さんでした。彼の義兄弟 金大煥さんがかつて「微音」にこだわっていたことを思い出しました。私にとっては大変好ましい方向でした。

 私の身体について、いろいろとご心配をいただいています。ありがとうございます。私といたしましては、病を得るたびに更により良い人生にしたいと思います。バカヤロー、ざまあ見ろ!(誰に言っている?)

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