かれこれ40年近くコントラバスを弾いていますが、アンプで増幅することがずーーーーーーっと苦手でした。好きな音になった例しがありません。ずいぶん出費もしましたが、結局ほとんど使わなくなって20年以上経ちます。スッキリさっぱりしています。大きなホールなどでどうしても増幅が必要な場合はマイクで拾ってもらいます。
管楽器や打楽器はほとんどが野外の楽器ですから、そんな楽器と室内の楽器が共演するのに無理があるのは当たり前です。コントラバスは演奏する空間・部屋を楽器の一部として鳴らすわけです。よい空間で音を出すときの幸せったらありません。言ってみれば、いつでも楽器の欠くことのできない一部としての空間を探しているのです。逆に、野外で弾いたときの情けない感じと言ったら・・・ハイ。
前回アンプを使ったのが6~7年前、やはり姜泰煥さんでした。(田中泯さんとのトリオ)姜泰煥さんは生粋のソリストですからベースの音が聞こえなくてもドンドコ進みます。やっぱりそれは淋しい。そのための処置で、22日もアンプを持って行くつもり。
ジョン・クレイトンさんは決してピックアップをつけず、マイクで拾ってPAで出しています。彼くらいのステータスなら常に納得の設備が可能でしょうが、私などは自力で解決せねばなりません。最近のウエイン・ショーターカルテットでのジョン・パティトゥッチは、最新の技術と道具で上手にバランスを上手に取っています。ライブでもスタジオでも同等の音質が確保出来ているのでしょう。ビル・エヴァンストリオのラファロとか、アイラートリオのピーコックは、録音ではOKですが、ライブでどうだったかと想像すると結構淋しいのではないでしょうか。
で、22日が迫ってきています。ただ持って行くだけでは駄目なので、このところずっと部屋で試しています。ピックアップは持っていません。マイク、マイクアンプ、アンプ、スピーカー、ケーブルをとっかえひっかえ試しています。何年も使わないとちゃんと動かなかったりもします。
今日の結論は マイク(DPA4099B)マイクアンプ(ART真空管)アンプ(アンペグB155)スピーカー(小川洋作オリジナル)、アンプには昇圧トランスを使い、ケーブルは澤居大三郎作とベルデン。
ともかく重いです。
使うときは必要最低音量にしますし、結局使わなかったりする可能性もあります。
ベーシストの苦労話でした。