デュオwith姜泰煥@キャンディ
姜泰煥さんとのデュオが稲毛キャンディで22日にあります。昨年8月のユーラシアンエコーズ第2章で共演して以来になります。あの一夜は夢のような時間でいまだに現実感が出てきません。
あの時、姜泰煥さんをメンバーに入れるかどうか正直言って迷いました。なにしろ彼は本当の意味でのソロ奏者です。誰が一緒に居ようが変わりません。ダンスが入っていてもダンサーを一瞥もしません。その他の音楽メンバー 姜垠一・元一・許胤晶・喜多直毅・沢井一恵・螺鈿隊の合奏はうまく行く確信がありました。なにしろ書かれた曲(ストーンアウト)をやるわけです。
ラージアンサンブルに加えて、作品を演奏するとなると姜泰煥さんはどうだろう?全体にとっても、ご自身にとってもうまく行かないのではないかという危惧はありました。しかしGOしました。私のクセと言っても良いかもしれません。キチンとしたアンサンブルになにか予測できない異物を入れたくなるのです。彼の演奏は循環呼吸でのフレーズ繰り返しによる大きな展開の中での倍音効果が特徴です。そのためには音は大きく出さねばなりませんし、ある程度長い演奏時間が必要になります。この日のアンサンブルにはフィットしない要素ばかりです。
そんな時「姜泰煥の韓国」を思いました。彼の中の「韓国」を引き出すことができれば良いのでは、と思ったのです。彼の演奏は大変個人的であるため、世の中のあらゆるものから距離を保った独自のものですが、彼の中に韓国がないわけはありません。そして今回の韓国からの演奏家は3人の伝統音楽家です。それも乗りに乗っている働き盛りの俊英です。その3人は本当に姜泰煥さんを尊敬しています。
世の中の陽の当たる道を順調に昇っている伝統音楽家(音大教授、国立オケの指揮者、劇場所有)が独自の道を行くアルトサックスの即興ソリストを真に尊敬しているという構図は日本では見当たりません。しかし私はそこに賭けてみました。
案の定、四人が来日するとまるで尊敬する親戚の叔父さんを囲むように和気あいあいとして、共演する歓びに溢れた雰囲気ができていました。そしてリハーサルでは、私の指示を逐一メモしてアンサンブルの駒になろうとしている姜泰煥さんが居たのです。韓国の伝統リズムに乗っての演奏もありきたりのものでなく「姜泰煥の音」をキープしています。さすがです。本番では興に乗って指示を無視することもありましたが、それは想定内です。生粋のソリストが「ここだ!」と思った瞬間に音を出すのは当たり前。沢井一恵さんにも言えることです。
この日のDVDが編集の最終段階に入っています。ダンスの南貞鎬さん・ジャンサスポータスさんも欠くべからざる主要メンバーであるのでCDよりもDVDを選びました。
舞台上での真剣勝負とカーテンコールの笑顔が共存、聴衆の熱い拍手。ステージでは可能なことが政治の世界では一歩も動かない。そのためにもDVDを出したいと思いました。
さて、デュオの情報は
5月22日(木)「CANDY」千葉市稲毛区稲毛東3ー10ー12
開場19:30 開演20:00 前売り 4000円、当日4500円 1Drink付き
学生1000円引き(当日学生証提示)
予約・問い合わせ Candy 電話:043ー246ー7726 jazz_candy_1j@infoseek.jp
http://www.blog.livedoor.jp/jazzspotcandy
JR総武線「稲毛駅」西口下車徒歩2分
です。