(アヴィニオン冬のダンスフェスにて)
今回、これだけいろいろなメンバー集結にはさまざまな関係が曼荼羅のように繋がっていました。
今回参加の二人のダンサー南貞鎬さんとジャン・サスポータスさん。この二人の偶然の出会いがこのユーラシアンエコーズ第2章の大きなきっかけになっています。
南貞鎬さんとは、私の韓国関係が始まった頃に会いました。彼女が釜山の大学で教えている頃です。金石出さんが来日を始め、私たちをビックリ仰天させていたころです。湯河原の空中散歩館でもデュオをやりました。釜山にも呼んでくれ、ソウルから一人でセマウル号に乗って行ったことを思い出します。ソウルで「芸術の殿堂」がオープニング。その記念公演を南さんダンスカンパニーがやることになり、私が日本で基本になる録音をして、そのテープを使い、ライブは私一人という公演がありました。「芸術の殿堂」が韓国総合芸術学校(Kアート)と同じ場所にあり、後に南さんはここの教授になるわけです。
「洗濯場の女達」という演目で、女性ダンサーが何人か上半身ヌードになるというので当時の韓国では注目されて、そのシーンになるとカメラマンが何人も張り切って仕事をしていたのを思い出します。その後、私との関係は途絶えましたが、南さんは白州フェスティバルに何回も参加していたと言うことです。(そこで今回の制作マルメロや通訳 李世珍さんと繋がっていました。)
その彼女と再会したのが、私の大事な場所「いずるば」でした。「いずるば」で恒例になっている「ジャンさん体操+気の道入門」のワークショップ。私が事務・通訳などをして手伝っていると、十数年ぶりに南さんがワークショップにやってきたのです。親しげに微笑みかけられましたが、誰だか判然としませんでした。
南さんはフランス留学が長いので、「気の道」を知っていたのです。合気道から派生した「気の道」の発案者・野呂昌道さんはパリを本拠地にしています。南さんはご主人が日本に住んでいるので、大学が休みの時には日本によく来ていて、どこかでこのワークショップのフライヤを見て、やって来たのです。
南さんがジャンさんと話をすると、二人が同じダンスの先生に習っていたことが判明(南ア出身のピーター・ゴス Peter Goss先生、そして昨年のアヴィニオン冬のダンスフェスに参加したときに、ゴス先生もそこに居ました!)。
私もとても懐かしく、何かまた一緒に出来ないかしらん、と思っていたら、長谷川六さんの公演の幕間にデュオをやることになりました。(シアターχ)ほんの15分~20分位の即興デュオでした。それが評判になり、ヴィデオが世界中を回り、アヴィニオンフェス、ルーマニアシビウ演劇フェスに招待されたのです。
ソウルでのモダンダンスフェス(モダフェ)にも出ることになったのですが、開催されている期間、ジャンさんが東工大で教えていたので、ジャンさんも正式に招待、そして南さんが韓国側のミュージシャンとして元一(ウオン・イル)さんを呼んでいたのです。私を入れて4人で「パ・デ・クアトロ」というグループになり、ソウルで初演、アヴィニオンに続き、今回のユーラシアンエコーズ第2章に続くわけです。元一さんはもちろん21年前のユーラシアン弦打エコーズの参加者。
曼荼羅その1です。